原作版「ピー助」の色を検証する2005年11月08日 06:14

『小学四年生』1980年4月号表紙
「のび太の恐竜2006」公開へのカウントダウンにピー助の商品化がたくさんおがめそうで楽しみな今日この頃です。
さて、新作アニメ版のピー助は顔の側面も退色と同じ色と設定されています。1980年版では薄いカーキー色で塗られていた印象が強く違和感が抜け切れないのですが……。

アニメ版はさておき原作版のピー助の配色がどうであったか考えるとこれまた違和感が浮上してくるのです。
エポック社から販売された原作を元にしたコレクションフィギュア「コミックテイスト ドラえもん」では自分もスタッフ参加もしていますが、心残りでもあるのがピー助の配色設計です。
ほほを真っ白に塗った「コミックテイスト」版のフィギュア”ピー助”。自分はいまだ違和感です。

はて、原作のピー助の配色はどうでしたっけ。

▼1975年増刊少年サンデー・短編版「のび太の恐竜」
カラー頁ではピー助かどうかも怪しい青い首長竜がいるだけ。


▼1980年コロコロコミック1月号大長編「のび太の恐竜」第一回
引き出しの大型カラー扉。ピー助もカラー頁にいるが豆粒のような大きさで確認しにくいが体色・茶色、ほほ・白に見える。

▽1980年コロコロコミック2月号大長編「のび太の恐竜」第二回
2色カラー扉だが、ピー助不在。

▽1980年コロコロコミック1月号大長編「のび太の恐竜」第三回
活版。色なし。

▼1980年「小学二年生」4月号表紙
初めてピー助を大きく描いたオリジナルカラーイラストが登場。ほほ部分ははカーキー色(図版参照)。アニメ版と差はあまりない。

▼1980年4月7日発行・カラーコミックス
表紙は色指定カラー。ピー助の体色は茶色、ほほ・肌色。コロコロコミックの表紙色指定と同じ。
彩色中扉あり。再利用率が高い図版で強いイメージを作っているように思える。ほほの色、白に対してシャドー部分が水色。このカラーリングがコミックテイストフィギュアに「白」を採用させてしまったと思われる。
人物紹介ページも彩色カラー。ほほの色、白。

▼てんとう虫コミックス表紙
小さいけれどほほは白に見えなくも無い。これが決定打か。
▼FFL版コミックス表紙&セル画
表紙はピー助不在。セル画ではほほの色クリーム色。

▼ミュージカル「のび太の恐竜」パンフレット
既存の原稿に彩色が施された図版有。

こうして振り返ってみると「原作版」と限定するならば白とするほうが優勢のようで、なんとも悔しい。アニメやコロコロ表紙に影響されすぎているのかもしれないが白優勢には違和感がぬぐえない。

ふと考えてみるとこれはドラえもんの手が白なのか肌色なのかと言う感覚に似ている。ぬくもりを感じる白は純白ではなくてかすかにクリーム色だったり肌色に近い白だったりするイメージというものだ。
昔、原作ドラえもんの手の色が白ではなく肌色、もしくは肌色のシャドーが必ず付いていることを話して驚かれたことがある。

これからの商品化は2006映画版が中心なのだから気にすることも少ないと思うが、もし原作版が商品化されるならば、決して純白ではない配色をして欲しいと願うばかりだ。

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