DVD『ハウルの動く城』<特別収録版> ― 2006年01月06日 02:22

確かに自分が持っていないソフトで、メイキング等の特典映像たっぷりの4枚組はオタクな自分にもってこいの内容です。
それ以前に劇場へ行き損ねていたので作品字体を観るのが初めてで、自分に合う内容かドキドキでした。何しろ世間の微妙な評価を聞いていた自分にとっては不安要素もかなり高かったのが正直なところです。
何しろ劇場公開時『ベルヴィル・ランデブー』と並ぶおばあちゃん大活躍アニメが来ると期待していたのですが、程なくして流れたCMで”おばあちゃん”は魔法でおばあちゃんになってしまった若い女性だと知り、かなりゲンナリしちゃったのです。少女を主役にすることが多い宮崎アニメは結局、そうなっちゃうんだと期待とズレてガッカリしてしまったのです。
しかし心配を他所に、作品はかなり楽しめました。2時間と言う長い尺を気にさせないのは驚きです。構えないでいればイマジネーションは楽しいし、美しい画面には吸い込まれるし、そこまで微妙な評に包まれる映画とは思えませんでした。
「宮崎さんの作品は不思議なところがいっぱいって、考えさせる所があっていい、……みんなそうだけど。」なんて、全然同意できないTVCMがやってましたが、そんな作風になったのは近年だと思うけれどなぁ。
しかし、”ひっかかりが残る”事を肯定的に考える姿勢だけは買いたいです。
様々な疑問、意見が浮かぶ展開は決して退屈なものではなく、むしろ惹きこまれる。この”モヤモヤ””気になる”を魅力と思うとハウルはクセになりそうな作品だと思えました。
最初にモヤモヤさせられるのが魔法の描き方。さらーりとした演出であっさり年寄りの姿になってしまった主人公。そして魔法を解くことが主軸と言う訳でもないストーリーライン。話の節々で若返る謎の描写。よく観れば彼女が若々しく意思を見せる瞬間に若返るのが見えてくるのですが、それを強く説明するわけでもない。あくまでもそれらの判断は観客にゆだねられるところ。
なるほど、「老い」ではなく「若さ」を描く作品なのだな、と思うとノリをつかんできた気分。同時に、本当に「老い」ているキャラクターに対しても内面の若さを引き出そうとしていてチャーミングに感じた。
はてさて、通常版DVD
これを全て見る人いるのかな。5ヶ国語だけで5回……。自分はディスク3,4で満腹になってしまいました。
特に特典映像は多くのクリエイターが登場するものでかなり興味深いものです。
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