『ボクノート』はアンサーソング? ― 2006年03月07日 17:25

想いを形にする姿を描写したしっとりとシンフォニックな曲は決して子供用のスタンスではありません。いつもどおりのスキマスッチでありつつ新境地にチャレンジした曲ということ、作曲の苦労は『もっと、ドラえもん5号』や劇場パンフレットの中で読むことが出来ます。
一見、ドラえもんの世界に関係ないようでいて、よく読むと関係あるようにも思える絶妙な距離感を保った詩は秀逸で、言葉のステップ感や韻を追求した日本語の面白さあふれる作詞。心の内を描いたパーソナルさは小さくまとまりそうなのにシンフォニックな音作りで気持ちよく高揚します。
駄目なドラえもんマニアは”愛に満ちた表情で”と言う言葉で「温かい目」を連想したりしそうです。(あ、自分か。)
そして、悩んでも諦めず言葉を捜す”僕”。その彼につまづき続けても諦めることなかったのび太をオーバーラップさせてしまいました。
そう思うと面白い発見が出来ます。26年前に『のび太の恐竜』の主題歌だった「ポケットの中に」のアンサーソングに聞こえてきさえするのです。

武田鉄矢さん作詞のこの曲はドラえもん主観でつづられています。
ポケットの中に夢いっぱいの異世界があり、一緒に旅する期待を歌う。
”待っていたんだよ 気づいてくれるまで”
と、傍にいながら少年を待っているドラえもん。
そして、スキマスイッチ「ボクノート」では詩の最後に
”探していたものは目の前にあった”
と身近にある大切なものに気づくのがオチとなっています。
決して仕掛けられたギミックではないと思うけれど、同じ漫画を基に作詞をしテーマを追求した結果、共通したイマジネーションを感じるのはとても面白いものです。
メイキングを読むに”目の前にあった”のフレーズは最後の修正で生まれたものらしいです。
言葉を捜して悩む歌詞「ボクノート」は正に現場でのスキマスイッチ本人たちであるのはもちろんですが、紛れもなくドラえもんのイメージがハマり映画主題歌になっています。そんなマッチングの奇跡も感じられる主題歌です。
名作玩具『エッ?グッ!』の鳥「C.B.エッ?グッ!」と再々版ゴジラ ― 2006年03月08日 00:29

さて”再生”をイメージする話題としてこじつける今日のエントリーは以前も紹介した『エッ?グッ!』の別のラインナップと再々版の紹介です。(卵の持つ”誕生”と再版の”再び”のイメージで”再生”!……って、無理やり~っ!)
初版と再版パッケージは卵を閉じた状態で、実演を観た人や先に知っている人しか購買意欲が湧かないといった欠点があったのか、1999年に再々版された時はガラリと装いを変えて卵が開いたブリスターパッケージになりました。(※上の画像)
ラインナップはゴジラのみなのですがカラーバリエーションが豊富になり、商品の識別は卵のカラーを記名、画像の場合は「クリアレッド」としているところから、やはりこの商品の主役はカラのようです。
近作だった「ゴジラVSスペースゴジラ

カラのクリアー成型は中のメカニックを確認することが出来て初版とはまた違った楽しさを備えています。しかしゴジラまでクリアーなのは微妙。おまけにカラーはオレンジや赤といったゴジラとはかけ離れたイメージのものが多くラインナップされ、あくまでもファンシー路線を狙ったようです。
ファンシーのファンとは程遠い怪獣ファンならばせめてクリアーグリーンの画像の商品か、レッドクリアー成型をバーニング・ゴジラと見立てるのがギリギリの選択肢。

(C)TAKARA’89 JAPAN
そしてもう一つ紹介するのが『エッ?グッ!』のオリジナルキャラ路線の商品。正式名称を失念してしまっているので、もしご存知の方がいらっしゃったら教えてください。(※コメント欄にて教えていただきました!)同時期にはティラノサウルスのラインナップもあったように思うのですが確証はありません。
鳥の『エッ?グッ!』の特筆すべき所はトコトコ人形ではなく、ジャンプして進む人形をセットした点です。そのままではゼンマイが動かないのでタマゴの中で足を動かすために足にヘラをあてがっています。
開発者の頭の体操を覗き見るようで機構を観察するのが楽しく、そして感心させられる商品です。
新会社タカラトミーにも感心させられるような楽しい商品を期待しています。
……という、とってつけたような言葉で今日はまとめです。
映画『チキンリトル』3Dバージョン ― 2006年03月09日 03:50

巷ではTVCMを見て”サザエさんの花沢さん”と同じだという反応ばかりでしたが、それよりも気になったのは”思春期”を感じさせる声質の英語版と違って明らかに”チビッ子”として配役されてしまっているのが気になりました。 父親との微妙な距離感がテーマなのに”カワイイ系”キャラクターになってしまいテーマの変質を感じました。思春期なのに”リトル”だからコンプレックスになっているのにチビッ子ではコンプレックスに理由が薄くなりませんかね。 チキンリトル役の山本圭子さんの演技は申し分なく、マイナス意見をさしはさむのは恐縮なのですが……。
さて、CGアニメも全盛となりデータ処理のおかげで実写よりも容易に立体映画へ変換できるようになったのか昨年のアイマックス・シアターで上映された『ポーラーエクスプレス』に続き3DCGイメージの立体上映。DLPの導入で以前に比べて楽に上映できるようになったのでしょうか。先の『ポーラーエクスプレス』の鑑賞料金が2500円だったのに対して『チキンリトル』は2000円と言う設定。
前日の鑑賞できっとここが一番飛び出すに違いないと信じていた画面はラスト近くの劇中劇。カメラ目線で画面に近寄って手を振る演出だったのでそう予測したのですが、実際には劇中劇=映画の平面スクリーンだから飛び出ない、と言う番狂わせ。思い切りズッコケました。
立体映画として最初から演出を計算していることを感じる『ポーラーエクスプレス』はゆったり長回し、奥行きあるフレームが多いのに対して『チキンリトル』は立体映画らしい演出がなく、普通のアニメーションが立体になっている印象。前半のカートゥーン的な動きはスピーディで立体視するにはやや疲れる感覚がありました。逆に言えば立体映画らしからぬ画面作りが新鮮だったと言う言い方も出来ます。
全体的にロケーションが小作りな映画なので背景の奥行きでゾクゾク出来るのはクライマックスの空いっぱいのUFOくらい。
あくまでも3DCGで製作した付加価値として生まれた立体映画だったのかもしれません。
今のところ立体映画と言う新鮮味は楽しく魅力的なのですが演出が立体映画と通常版の差が無いせいで、突出した印象は受けませんでした。
むしろ……『ポーラー・エクスプレス』立体映画版の再映を切に願ってしまったりして……。
いや、『チキン・リトル』3D版も充分に面白いです。きっと『ポーラー・エクスプレス』が傑作すぎるのです。きっと。
チキンリトルボッブルヘッド ― 2006年03月09日 19:36
もはや現実のディズプレイ空間がなくなり、ブログへのアップロード写真が展示場。そういえば映画のレビューも”3D版”を下書きフォルダへ入れたままだった。
もう劇場は次のシーズンだと言う実感をヒシヒシ感じているので遅ればせながらのエントリー公開。
100円でこれだけの商品が作れるコストには相変わらず脱帽。
藤子不二雄A先生お誕生日会2006 ― 2006年03月10日 04:48

本来ならばサプライズ企画なのでこっそり進行して先生には驚いてもらうつもりで始めた企画も恒例になってしまい「今年はどんな手で来るのかなと思っていた。」とおっしゃっていただき待っていただけるようになってしまいました。こうなるとドラゴンボールのパワー数値のインフレのように常に前回を上回り続ける企画をしなければいけないので頭を絞ることに。
毎年、M野氏は功労者で今年の企画やその準備にかなりがんばっていた様子。ご苦労様でした。
今年の企画は”宝箱”をプレゼントと言う企画。会員さんとスタッフでめいめいプレゼントを用意。ある人は自作のフィギュアだったり小物だったり、また既製品のプレゼントはそれぞれ藤子A先生の嗜好を配慮したセレクト。
それらのプレゼントをM野氏手製の宝箱につめてお渡しするという企画。宝箱はまるで海賊船から出てきたようなデザインで演劇の小道具のようないでたちでした。
宝箱を抱えて町を歩くM野氏はとっても変な景色ですれ違う子供たちに「宝箱だ!」と指差されていました(笑)。
約10人があらかじめ連絡した時間にスタジオへお邪魔し、まずは「ハッピーバースディ」の合唱。クラッカーを鳴らしそして宝箱の入場。今年の趣向はお気に召していただけたようで驚き、喜んでくださいました。宝箱を開封し中のプレゼント一つ一つに「これは何?」と質問してかわるがわるプレゼントした本人が解説するという流れになりました。

自分が用意したプレゼントは”可杯”のセット。
可杯(べくはい)とは座興用の杯のことで、土佐を代表するお座敷遊びのひとつです。
遊び方は簡単で、コマを回して、止まったときに軸の向いている方向に座っている人が、コマに書かれている絵柄の可杯にお酒を注いで、グイッ~、プハーッ!っと飲み干します。
可杯は普通の盃と違い、飲み干してしまうまでは下に置くことができません。おかめ、ひょっとこ、天狗の盃と、コマがセットで一組。可杯は手にすっぽり入る陶器製のミニチュア面のようでもあります。特にヒドいのがひょっとこで口に穴が開いています。これは親指で押さえて飲まないとこぼれるという杯です。
先生の作品は仮面のモチーフが多く、お酒も好きだし、何となく”変コレクション”的な趣も感じたので選びました。(既製品の人は少なかったのでちょっと焦りました。)
「かっこいいね」と仰っていただき、それなりに気に入っていただけたと思ってますが……。さて。
一通りのプレゼントを開封し終わると、ビアホールに誘っていただき先生とアシスタントの方とお酒をご一緒することが出来ました。ありがたき幸せ、もったいない一日でした。
詳しいことはきっとFCの会誌でレポートされると思います。(まるで宣伝。)
映画『のび太の恐竜2006』~その1 導入部にあれこれ ― 2006年03月11日 02:41

自分はTVのブローアップ版の汚名を晴らした成功を眺めながら”劇場用アニメーション”としてのクオリティに対して限界を感じていた25年間だった。
待ち望んでいた『のび太の恐竜2006』はついに劇場用アニメーションの意気込みを感じ、何よりも”ファミリーピクチャー”として映画の風格を備えていたことが嬉しかった。そう、これは「ドラえもんファン」としてではなく「映画ファン」としての喜び。
映画館はスクリーンで見てこそ、それは全てにおいて言える事ですが、今年は特に強くお勧めしたい気分です。
<※以下ネタに突入。未観の方は避けましょう。>
映画の完成前から、みっちりと絵コンテを読まないといけない仕事の関係上、人とは違った感想かもしれません。
最初のフィルムは知っている展開のはずなのに情報量の多さとスピーディーな展開にヘトヘトになり、正に長旅をした疲労感を伴う気分でした。そして絵コンテ以降にもかなりの変更とカットがあり、良くするための格闘が最後まで行われていることを感じました。しかも、最初に見た試写ではいくつかのミスを見つけることが出来たので折を見て質問したところ、劇場版では更に修正されるとの教えられ劇場版が更に楽しみになりました。
しょっぱなで驚かされたのはOP。ドラえもん映画では『のび太の海底鬼岩城』(芝山努:監督 1983)以来、定番になっていた映画ならではの風格を備える”重さ”や”いつもと違うムード”をかもしていたOP前にドラマが入る演出、後年はのび太が『ドラえも~ん!』と叫ぶとOPが始まると言う”伝統芸能”へとパターン化されていた。それがない!
絵コンテでもそのパターンは踏襲されていたのでスクリーンではビックリ。キッズムービーとして子供に優しくハードルを下げたとも取れるけれど、結果的に能天気なOPと本編冒頭がとんでもないギャップでコントラストとなっていた。配置に関しての変更は効果を上げていた。
しかしOPの内容に関しては不満。「クレヨンしんちゃん」のクレイアニメのOPのように手仕事の良さを導入しようとする意図は感じるのですが。その内容がリニューアルされていないキャラクターデザイン(むしろ、旧とも新ともかけ離れたデザインならば良いのに……)にズッコケさせられ、ひたすらファンタジックで明るいカラッポなビジュアルが多すぎる。ポケットから流れる虹は今作のオリジナルイメージとして納得するのですが、他のイメージがまったく伝わってこない。
『のび太の恐竜』80年版では同じくしょっぱな歌で始まっていた。ある意味工夫が感じられないと言われそうな直球だった。当時TVオープニングだった『ぼく、ドラえもん』に合わせてタイムマシンに乗ったドラえもんがインサートされながら秘密道具を使う楽しそうな日常をあっけらかんと描いた。イメージだけではあるが”未来から来たロボットが少年と不思議なことをするアニメ”と言う基本を観客に見せていたと思う。この基本を伝えないと部屋にいる奇妙な青いヤツが普通に居る世界への導入に1ステップ足りない印象を受けてしまう。
ドラえもんは世界にはばたき誰もが知っているから基本設定はいらないと言うのならば異論はないが自分はそうは思わない。
そもそも短編作品に挿入されたエピソードだから飛ばされている基本設定、結構重要だと思うのです。
さて、そんなOPを終えると今度はドラ映画でかつて見たことのない空間処理にカメラ移動。思わず声を上げてしまうほどの三次元的なパンに数秒で引き込まれてしまいます。まるで『ピノキオ』(1940)の導入部のような空間を魅せる感覚にアニメーションへ興奮が一気に高まり世界に吸い込まれました。
キャラクターのアニメイトはこれまでに見たことのない枚数を使って動く、動く。これまでドラえもんのアニメ動きは他のアニメーションに比べておとなしい……と言うか、地味だと思っていた自分にとっては心地よく台詞とシンクロさせたボディランゲージがここまでつけられているなんて嬉しくてたまりませんでした。動きで伝えられる強みを持っていて子供も食い入るように見る姿が嬉しかったです。(藤本先生も芝山監督も子供の反応を見て毎回、ダレ場の反省点を言っていたのを思い出します。)
<つづく>
映画ドラえもん/紙帽子コレクション'80 to '02 ― 2006年03月12日 03:43

26年前の春、初日に劇場へ行き舞台挨拶を見ました。この紙帽子をかぶった子供たちに混じりながら自分も舞台の上の藤子両先生を眺めていたあの日。思えば遠くになりにけり。
雑誌でも使っていただけたので保存していた甲斐があったと思っている品です。生かされてこそコレクター冥利に尽きます。
しかし改めて見返すと初年度は帽子でもなくハチマキと言っても良い代物。 さて、この紙帽子と言う風習はどんな子供映画が最初に導入したのでしょうか。最近気になっています。東宝チャンピオン祭りからの流れを感じる興行なので、ルーツをたどると更にゴジラに縁が深くなるかもしれません。

▲『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』『怪物くん 怪物ランドへの招待』
2年目は折りまげてツバが出来たところから”サンバイザー”と呼べる形に進化。当時の記録によれば『ドラえもん 怪物くん 絵入り「サンバイザー」(紙製帽子)付き』となっているので前売り券の窓口プレゼントとして作られていたようです。しかし初日には家から持ってきた記憶もないし、劇場にはたくさんの子供がこれをかぶっていた記憶があります。あれはいったいどういうことだったのでしょう。余った分を配っていたのかな。

▲『21エモン 宇宙へいらっしゃい!』『ドラえもん ぼく、桃太郎のなんなのさ』
ドラえもん映画歴史でもイレギュラー扱いの夏興行にも紙帽子はありました。当時の記録には『ドラえもん・21エモン紙ぼうし付』とあるので、これも前売り券のプレゼントだったようです。
そういえばこのときは劇場入場プレゼント(初日のみ?)のドラえもんマスコットを入場時に貰いました。記録上は無視され続けてますが入場プレゼントの最初はこれだったと印象づいています。

▲『ドラえもん のび太の大魔境』『怪物くん デーモンの剣』『忍者ハットリくん ニンニン忍法絵日記の巻』
この年は再びハチマキ型になってしまったものの、折ってそれぞれの面を前にすることで4種の紙帽子が楽しめると言う新機軸。
劇場でもらえることが出来ずに帰り道、不忍池のほとりで拾ってコレクション入りさせた記憶がうっすら……。拾うなよ、と当時の自分に思う反面拾う事ができた奇跡にも感謝です。
コレクターの感性は若干歪んでいるような。

▲『ドラえもん のび太の海底鬼岩城』『パーマン バードマンがやってきた』『忍者ハットリくん ニンニンふるさと大作戦の巻』
ここから自分のコレクションに折り目がないのでナチュラルに紙帽子をかぶる年齢は過ぎたようです。小学校高学年、そろそろドラえもんファンから、藤子ファンへ、そしてコレクターへの変貌が始まっていたのかもしれません。

▲『ドラえもん のび太の魔界大冒険』『忍者ハットリくん+パーマン 超能力ウォーズ』
ドラえもんを折り曲げてポップアップさせる形に進化。以降のスタイルの雛形になるエポックメーキング的な品です。

▲『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』『忍者ハットリくん+パーマン 忍者怪獣ジッポウvsミラクル卵』
今でも実家の壁に画鋲で貼りっぱなしの1枚があります。それがこの紙帽子。つまり部屋は85年以来、あそこだけは変わっていないと言う事になります。ポスター代わりと言うより、昔のテナントのようにちょっと変わった形のポスターとして楽しめるのも紙帽子の一つの魅力でした。

▲『ドラえもん のび太と鉄人兵団』『プロゴルファー猿 スーパーGOLFワールドへの挑戦!!』『オバケのQ太郎 とびだせ!バケバケ大作戦』
この年、初めて紙帽子が手に入らず東宝宣伝部に問い合わせしたら束で紙帽子をいただきました。嬉しいやら恥ずかしいやら。しかし、その量たるや、友達に配るにも配りきれず、いまだに持て余してます(苦笑)。
立体映画だったオバQが飛び出すようになっているセンスがポイントの高い品です。
ポップアップ・キャラクターがツバから折り上げる頭側から押し出す形に変化しています。

▲『ドラえもん のび太と竜の騎士』『プロゴルファー猿 甲賀秘境!影の忍法ゴルファー参上!』『オバケのQ太郎 とびだせ! 1/100大作戦』
藤本先生が原作漫画のスタートを休載。いつもより遅いマンガのスタートにハラハラとしながらコロコロを読んでいた記憶が蘇ります。映画館でかかっていた最初の予告編では本編にはない、崖から落ちそうになるアクションシーンがあり、本編へのフィードバックがないのが残念でした。
紙帽子では竜の騎士=バンホーのシュルエットが印象的に配されていますが。

▲『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』『エスパー魔美 星空のダンシングドール』『ウルトラB ブラックホールからの独裁者B・B』
ツバからドラえもんを折り上げる形に戻っています。
魔美とUBのおかげでそれまでハード路線になっていた作品の組み合わせがソフトな印象になりました。ゆえに紙帽子も少しファンシーっぽい色使い。

▲『ドラえもん のび太の日本誕生』『 ドラミちゃん ミニドラSOS!!! 』
藤子映画も10周年。F作品のみの興行となり、少し寂しさを感じます。
キャラクターを折り出すデザインがなくなりシンプルなサンバイザーに戻っています。

▲『ドラえもん のび太のアニマル惑星』『 チンプイ エリさま活動大写真』
ミミをつけて猫を強調したドラえもんとネズミ型宇宙人チンプイの2ショットがファンには不安になります。
折り出しデザイン復活。

▲『ドラえもん のび太のドラビアンナイト』『 ドラミちゃん アララ少年山賊団!』
折り出しキャラクターが面積の半分近いという思い切ったデザイン。これは中央部は平面なのですが、左右のみ切れ込みが入っていて頭の丸みに合わせ外側に飛び出すというもの。改めて見返すと、なるほど! と思う仕様です。

▲『ドラえもん のび太と雲の王国』『 21エモン 宇宙いけ!裸足のプリンセス』『ときめきソーラーくるまによん』
ここまでくると惰性で集めてるような気分にも……。なんて誰かも思ったのか翌年には初めて紙帽子がありませんでした。(少なくとも、自分が探した限り存在しませんでした。もしも存在がある場合は一報を!)

▲『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』『 ドラミちゃん 青いストローハット』『ウメ星デンカ 宇宙の果てからパンパロパン!』
一年空いて復活した紙帽子。
青いストローハットにもひっかかっていないし、魔法使いドラモンの帽子にもひっかっていないデザイン。せっかく帽子モチーフに恵まれた興行だったのに、紙帽子ファンとしてこの残念です。作品を最後に紙帽子が無くなりました。

▲『ドラえもん のび太とロボット王国』『ぼくの生まれた日』
8年の時を経て紙帽子が復活しました。しかし今までの形態とは違い劇場パンフレットの付録になっています。こらまでゴムで後頭部を留める機構だった紙帽子ですが、工作という都合上、バンド部分が長めに作られ、折込式で留める形が採用されています。
ドラえもんの手の部分には別パーツになっている剣を取り付けるようになっています。
劇場でかぶっている子供を見ることが出来なかったのが残念です……。
さて、ここまで集めた紙帽子たち。
いったい紙帽子の魅力とは何なのでしょうか。 子供心を思い出すに、お面のような変身アイテムとしてのワクワク感を思い出します。ただ折り曲げるだけですが、工作を組み立てるような自分で組み立てる楽しさもありました。名前欄があって、自分の物と意識する所有の喜びもありました。劇場で多くの同世代の子ども達と同じスタイルで鑑賞することで一体感とお祭り気分を十二分に味わうことが出来ました。
今やその紙帽子のバンドは自分の頭をまわらなくなってしまいましたが、それらを目の前にすると楽しかったドラ映画との日々が蘇ってきます。
紙帽子はお手軽に変身できる、秘密道具のような魅力的なアイテムだった。……と、綺麗にまとめようとして大げさになってしまいました。
そんな大げさなものではなく、むしろ庶民的なチープさも味。ドラえもんの庶民性と通じるところがあるかもしれません。
もうあの日は戻ってこないのか……否!
2006年、ついに正統派紙帽子が復活しました!
[※2007/2/22修正加筆]
[※2007/2/23修正加筆]
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