映画『花田少年史』に温度差ーorz2006年09月02日 16:31


楽しみにしつつも、不安だったあの映画。
意外にヒットしているランキング成績と、ネットの評価を見て期待が大きくなってしまっていたのですが……原作ファンには正直キツイ映画でした。

何よりも笑いのセンスの異質ぶりは、もう埋めようもない遠さ。原作で感じる笑いのセンスは何一つ生かされていないと言う印象。いや、笑いだけではありません。一番の要である心の襞に触れるような微妙なニュアンスが魅力である作品を原作としながら、これだけ遠い作品を作れたスタッフはある意味賞賛に値します。
自分の中で例えるならば平成ゴジラのようにビカビカ光って、戦って……どこが「花田少年史」やねん!…と怒れる映画でした。(ゴジラ常連俳優・上田耕一さんが出ているから感じている訳ではありません。むしろ上田さんは良かった。)
こういう映画作りたいのならば、むしろ原作を使わないでくれと思ってしまう映画でした。

映画のオリジナル要素が大半で、散りばめられたわずかな原作のモチーフがフランケンシュタインの体のようでチグハグな印象を受けました。
一路の両親、誰? トンネルのオバケ、何? 怨霊のストーリー、理解不能!? 
映画の一本通す芯として、親子・家族と言うテーマに絞って「花田一家」「弁護士父娘」「壮太家族」と言うそれぞれの家族の形を浮き彫りにしたい構成は凄く伝わるのですが、下手。特に弁護士父と娘は親子の戦いに発展し、あれで解決とは片腹痛いです。ファミリーピクチャーとして後味悪すぎです。

現在、親殺しのようなモチーフが『ゲド戦記』といい、時代のテーマ的に作品に浮上する機会が多く感じますが、気持ち悪い空気です。そんなタイミングでこの映画のようなものを見せられると言葉を失ってしまいます。

アニメ『花田少年史』の為に原作者によって描き下ろされたグローブのエピソードを出すまでもなく、あまりに対極なこの映画。
同じく原作ファンの友人と見に行き、二人とも「原作とは別モノだけど、それなりに楽しめたね。」と言う言葉を用意するほど低いハードルで臨んだのに、終了後は揃って絶句。
「映画としても駄目で、どこから感想を言えば良いのか……。」と言う状態。

ところが、世間は広い。
自分の姉は連載中に一緒に読んでいたので、映画にも期待し小学生の娘と一緒に映画へ行きました。姉は微妙な感想、ところが娘は絶賛。 数日後、お父さんを連れて二度目を見に行ったそうです。
姪の好みがわから~ん。