夢は時間を裏切らない ……世間は裏切らない?2006年11月01日 02:50

NEO超像革命フィギュアコレクション「銀河鉄道999/さよなら、999号」(カラーバージョン) by 株式会社メディコス・エンタテイメント(2005)
ニュースでたびたび取り上げられ、あちこちで話題になっているので今更説明もいらないでしょう。
人気デュオ「CHEMISTRY」に提供された曲「約束の場所」の中のフレーズが漫画『銀河鉄道999』に登場する名フレーズと酷似している事から、原作者・松本零士さんが作詞の槙原敬之さんに抗議。

「 夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない 」というサビが、「 銀河鉄道999 」(小学館刊)の第21巻などに登場する
「 時間は夢を裏切らない 夢も時間を裏切ってはならない 」というフレーズに「 そっくりだ 」と主張、無断借用ではないかと講義していました。 26日の記事からすると現在は収束しているようです。

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とかく世間は”パクリ”ネタが好きなのか、一般生活の中でも話題にされることが多くなった印象です。しかし、「盗作」ではなく、わざわざ”パクリ”って表現を新聞まで使うなんて変わったもんです。
『ドテラマン(1986)』『とんでブーリン(1994)』は大きく語られた印象がありません。『ライオンキング(1994)』は報道的に転機だったような気がします。他に印象的なのは『アトランティス 失われた帝国(2001)』、最近の『ゲド戦記(2006)』の「テルーの唄」。

報道で扱われる周辺情報が既に編集された偏った情報であるのに、報道だけを見て結論を決め付けてしまう人がなんと多いことか。クリエイターでないと言う一般的な立ち位置との違いは重々承知の上でも、その隔たりは毎回脱力します。

それぞれケースは色々ですが今回の報道で情報操作的な印象を受けたのは松本零士さんの主張の出典を単行本の巻数だけで表示していたこと。発表年度の方が重要だと思うのだけど、多くは少年キングで連載された第一シリーズの『銀河鉄道999』を含む形で、あたかも1977年からの連載作品、1980年代のブーム時に含まれるような誤解を与える表現に悪意を感じました。
問題になっているフレーズは1996年開始の小学館版の連載作品に登場。映画化もされて似たフレーズが映画主題歌『Brave Love ~ Galaxy Express 999』(歌・編曲:THE ALFEE、作詞・作曲:高見沢俊彦) にも登場しているらしい。

96年以降の新シリーズは評判も世間の浸透度もイマイチな印象を個人的に持っています。映画も不入りだったし。槙原敬之さんの世代的なことを考えても知らなかったと言う話に不思議はないです。報道の偏りから世間の反応も偏るかと思いきやそれ以前の多くの冷淡な意見に驚きました。

今回は情報の偏りよりも当事者達への無関心ともいう雰囲気が色濃くて、オフラインの世界では「大人気ない」とか抗議に対しての疑問も多く聞きました。 それらの意見にある程度同調できると同時に、作家として自作にこだわりを強く感じていることを見て取れて、自分は関心もしていました。そんな意見は少数のようです。確かに表現の独自性をいうには難しいフレーズだと自分も思います。

下書き期間が長くてすっかり旬を逃した話題です。
当たり前の事を言ってるミッキー吉野さんが一番印象に残りました。

>ミッキー吉野(54)は「誰にも影響されないということはない」と自論を語った。