映画『オープン・シーズン』~笑って笑って深さに染みる ― 2006年12月14日 03:59

予想だけでなく本編を実際に見てみて多いに気に入った作品です。何よりも終始おバカなギャグが満載で往年のカートゥーンのノリを感じさせる畳み掛けるようなテンポでギャグをかましてくれる呼吸が心地良くて。
さて、『ジャングル・ブック
森林警備隊員が女性と言う配置が現代的とも思ったのですがロジャーラビットの短編「キャンプは楽しい/TRAIL MIX-UP(1993)」でジェシカ・ラビットがセクシーな森林警備隊員として登場していましたっけ。後半のジェットコースターシーンでとぼけたクマも登場しているのを思い起こすとこれらのステップを経た系譜の作品だと思います。
「ロジャー・ラビット
ロジャー・アラーズとロブ・ミンコフが監督した『ライオン・キング
そういえばブーグとエリオットの凸凹コンビぶりはどことなくティモンとプンバァのコンビネーションを彷彿する部分もあります。
ひたすら笑って笑って楽しい時間を過ごしました。
特にペットとして飼われているブーグ(クマ)が野生を取り戻して動物の皮を裂き、内臓を引きずり出している!……と人間に勘違いされるくだりのブラック・ユーモアは激しくツボを攻撃されました。
「のどか森の動物会議

<※以下ネタバレ感想>
笑って、笑って、ひたすらカートゥーン的なドタバタに終始し、最後だけ生暖かいヒューマニズムな展開を予想していた自分。もちろんファミリーピクチャーの本分を考えるとそれであったとしても充分の展開なのですがそれ以上のラストに兜を脱ぎました。
ペットとして飼われ、野性味のないブーグの幸せはパークレンジャーのベスの元に戻る事だと終盤付近まで疑問も持たずに感じていたし、定型的にそうはならず野生へ返りハッピーエンドなのは見え見えなのですが、改めてそこに考えさせられるラストは思う以上に深いテーマを抉り出していました。
ベス=多くの人間側の視点からすれば動物に深い愛情を傾け、痛いほどに感情の変化が伝わるキャラクターのポジションなのですが、主人公である動物側からすれば愛ではなく人間側のエゴなのだと言わんばかりのビターな別れ。いつまでも胸に残りそうな結末でした。
『ライオン・キング
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