空間に愛を誓う2007年04月10日 04:22

LOVE
土地に愛を誓う行為って自分にとっては憧れです。
好きな映画の類はその手の描写が多いし、その手の表現には大体感性ゆすぶられて、やられます。で、自分はどうかというと東京が実家なので故郷と言う感覚はないし、住んでいる町にそれなりの愛着はあってもどちらかと言うとそれは利便性からきていて、土地そのものを好いているのとはまた違った感情だと思っています。

ちょっと前にブログでこんなエントリーを書きました。
「今、こんな気分」

このときの数日は、正にこんな気分でした。
わが実家は祖父の代から持ち家、借地。親の代だけでも60年は住んでいる家です。ところが今回、大家さんが知らないうちに土地を売却してしまってビラ一枚の挨拶で事後報告してきたのです。
そうでなくても空間ばかりを無駄に使う趣味を持ち、稼ぎがそんじょこらの貧乏を自称する人よりもはるかに低い自分。今回の件で助けを出すどころか完全に足手まといであるポジションを考えるとかなり痛い気分です。

売却された土地は我が家と隣の地続きの土地。どう考えても一括で使って大きな建物にする発想が優先されそうです。しかも買ったのは再開発を冠にした会社。正直な話、立ち退きしてくれと言われるだろうと覚悟していました。その気分があの絵でした。

代替で引っ越すことになったとして、荷物は減るのか、そしてそもそも住む場所があるのか。全てが暗い見通しの数週間。正直、開きなおるくらいしか手はありませんでした。

しかし、意外なことに話し合いは円満に進み土地は身内が買うことになりました。やりくりをしながら家計を維持し貯金をそこまでしていた母には頭が上がりません。そして母強し、女性はやっぱり経済観念がしっかりしていると痛感しました。(性別だけの問題ではないのですが。)
支払いには貯金だけでなく保険を解約したりと精一杯でしたが、借金することなく払えたようです。

とりあえず引越しは免れました。自分の甲斐性なしの問題は以前に比べより深刻に考えなくてはいけなくなりました。とりあえず、屋根の下に寝ることができることを感謝し、空間への愛を感じる今日このごろです。
いや、マジで。