アプローズ社って、OEMいっぱいしてたよね?2008年02月06日 06:14

PVC / The Little Mermaid / Theme Park version and Applause version
PVCコレクターも末期症状になるとカラー違いとかのバージョン違いを集め始めることになるのですが……。数を集めていてぶち当たるのが、会社をまたいでの再販品や瓜二つのそっくりサンの混乱状態。そういえば、旧ポピーと丸越の2社からリリースされる『ウルトラ怪獣消しゴム』でも似たような混乱が認められます。社名表示の刻印はA社なのに、リリースはB社のパッケージなんて例。
でも、販売○○、製造△△なんて表示がパッケージに確認できればその謎はかんたんに解けるでしょう。OEM(=Original Equipment Manufacturer他社の販売品を受注で製造する)のスタイルは色々あるようですが、多くの場合はその例だと思って間違いないと思います。

他にあるパターンだと、権利と金型を買うor借りるパターンか……。いや、自分は商売人ではないので生半可な憶測ですが。

冒頭の『リトルマーメイド』のPVC、アリエルの画像。向かって右が1989年、アメリカで映画公開と同時にリリースされたアプローズの商品。
左は自分の記憶は霞んできているのですが、ドイツの洋書によれば1994年、テーマパークでリリースされた品。(※個人的な記憶ではディズニーストアでのリリースと記憶が混乱しています。)

一見同じ品に見えますが目の塗装など、色あいだけでなく“ヘソ”があったり、なかったり、造形そのものが全体的に違うことが見て取れると思います。
PVC / The Little Mermaid / Theme Park version and Applause version
アースラも同じに見えて造形そのものが違っています。
こうなると、ハイ・レベルの間違い探し……!?
後発のテーマパーク版はくるみ塗りなのでディテール全体が甘くなってる印象。それだけでなく、若干緊張感が抜けたような造形に見えなくも……。
PVC / Marie / left:Disney Store / Right:Applause
こちらは先にも紹介した『おしゃれキャット』のPVCからマリーの比較写真。ディズニーストア版アプローズ版です。こちらは塗装のみの差異に見えますが、よく見るとリボンの表現が若干違う。
他にもアプローズ社のリリース品で他の流通とカブる立体物はかなりの数で確認することができます。

マテル、ハスブロなどの大手玩具メーカーが世界的な流通を視野に入れた展開をしているのに比べアプローズは、どちらかといえばアメリカ国内に重点を置いて小回りを効かした展開を感じさせる会社でした。
後にRUSSに吸収合併された経緯を見ても、決して商売上手な大きな会社と言うイメージは(失礼ながら)持てません。

思うに多くのライセンス製品をやる中、その技術を見込まれ、多くのOEMでディズニーストア用の製品やらテーマパークの製品の受注生産をしていた会社なのではないでしょうか。そう読み解くと、同時期にほぼ同じ内容の商品が流通経路によって使い分けてリリースされていた現象に納得がいきます。流通によってライセンスの住み分けがあるなんて例もキャラクタービジネスではよくある話です。
受注のルート用と自社ブランドが使えるルートで、最低限の使い分けをした結果、微妙なバージョン違いを生んだのではないでしょうか。

……会社としてのアプローズが消えた今、おそらく、この話の結論は出ないのでしょうが、説として提唱しておこうと思います。

英語圏文献で、この手の裏づけがありましたら、ぜひ御一報を。

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