シミュラクラの微笑み ~Mr.リクライニング ― 2007年09月10日 15:13
“Mr.リクライニング(仮称)”と申します。
旅のあいだ、お世話をさせていただきます。よろしくおねがいします。
まず、私のおなかのポケットをご覧ください。ビニールのエチケット袋には燃えるゴミをお入れください。
フックはご自由にお使いくださってかまいませんが、使用なさらないときは寝かせておいてください。ひっかかるといけませんからね。
口は手すりになっています。座席から立つ時、座る時にご利用ください。でも、走行中は危ないので必要以外はお立ちにならないようお願いします。
私の目は読書灯になっています。まぶたの上にスイッチがありますから是非、使って見てくださいね。おやおや、お昼の間は必要ないかもしれませんね。これは失礼いたしました。暗くなりましたらぜひ、ご利用ください。
こう見えても、結構明るいんですよ。
頭の白い布ですか?
これは帽子と申しましょうか、髪型と申しましょうか……。おっと! ひっぱらないでください。前のお客様が驚いてしまいますよ(なれなれしい笑い)。
くれぐれも楽しい道中をお楽しみください。
“Mr.リクライニング(仮称)”でした。」
以上、割と低い声で。
座席と7時間以上対面していて聞こえてきた妄想。
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