観劇「ドレッサー」 ― 2008年06月15日 23:38
『ドレッサー』は好評に付き再演と言うお話を聞いていたので、過度に期待していたのがいけなかったのか、ちょっと自分の期待と違ってしまってフラストレーションがたまった感想を持ってしまいました。
男性嫌いの女性“あおい”が引っ越した先には、変わった隣人が住んでいて、大賑わい。中にはNY帰りのオカマさんまでいて、ひょんなことから、あおいのお父さんの前でカップルを装うことになってしまい……。
キャラクターパーソナリティー(性格、個性、クセ)は演じることの基本であり、面白さですが、それに加え“腹に一物持った”感じが加わり、演者には難しそうなお芝居でした。
時に二面性や本性を覗かせる人物、その切り替えは力量を素直に感じました。
“腹に一物持った”感じが、モヤモヤと引きになっているのは分かるのですが、行動原理を明かして謎解きをされてもスッキリしないというストーリー構成が、自分にとってはキツかった。
謎解きなら、それ相応の仕掛けがあって当然ですが、”登場人物の半数近くが仕掛け人で、その不可思議な状況を作っていた”的オチは「そんなの反則でしょ~!?」と言う脱力感。だって、それだったら何でもアリじゃん。
自分だったら「名探偵コロンボ」よろしく犯人を冒頭に明かすような構成にし各キャラクターの“行動原理”を観客に伝えた上でシチュエーションの面白さを見せていくなぁ。
そう思いをめぐらす時点で、楽しんではいるけど歯がゆさも伴う芝居でした。しかし、再演である以上、今更そこをツッコむのも野暮天。素直にキャッチできなかった自分が敗者なのかな。
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