『崖の上のポニョ』 ~ああ、楽しみですとも ― 2008年07月19日 04:29
友人たちは自分よりも、よっぽど自分のことを知っている。映画『崖の上のポニョ』を楽しみにしていることを、言わなくてもちゃぁんと知っているんだから。
宮崎アニメは楽しみにしているけれど、夢中とまではいかないし、ファンと自称するほどでもない。何しろ無条件で好きといえる作品が少なすぎるし、近作になればなるほど、自分の好みから離れてしまっています。 そんな訳で最新作『崖の上のポニョ』も最初のビジュアルが発表されても、さして期待できなかったのです。バケツに入った人の顔をした金魚のような魚。そしてそのバケツを持つ子供の手足。かわいくない少女の目つきと言う印象は、どこか『千と千尋の神隠し』を思い出しました。
そんな、期待とも言えない状態がハッキリと楽しみに変わったのは5月5日にNHKで放送された「夢よ開け!~こどもたちに贈る歌のメッセージ~」 を観てから。番組は有名アーティストがディズニーの名曲をTDRの中で歌う内容だったのですが、中盤にジブリ作品のブロックがありました。近年はディズニーとの関係も深く、ビデオソフトもディズニーが出しているので同居での放送が可能だったのでしょう。特設のメイとサツキの家のセットや着ぐるみのトトロなどの珍映像に加え、久石譲本人のピアノによる演奏など、聞き逃せない内容もありました。
その中で公開前の『崖の上のポニョ』の主題歌が紹介されました。簡単な設定のナレーションと静止画の数枚。そして始まったポニョの歌は、簡単なメロディーの繰り返しと拙い言葉選びの歌詞。しかし、テーマは五感を味わう喜びにあふれた、すごく根源的なもの。
その歌を聞いて数々のパーツが重なりました。先日の『パンダコパンダ』のリバイバル上映、ジブリ美術館の展示、そして同時開催されていた「3びきのくま」はポニョへと連なる幼児向けかつ、根源的なテーマを選んでいるジブリの今を反映していたのだと。
もう、そーなるとたまんない。
『パンダコパンダ』の再来を願った『となりのトトロ』は、今振り返れば“まんま再来”のクチなんですが、当時の自分にとっては期待が高すぎて、イメージボードをむさぼり鑑賞したせいで、“和モノ”に仕立てたスタンスが飲み込めず、不満でした。(今は大好きなんですが。)
『ポニョ』がそこまで『パンコパ』の再来になるとは思っていないのですが、逆に言えば“遠くない”ものになるのは明白。そう思うと、同考えても自分が好きになるに決まっている作品だと思えて仕方が無い。
それからカラオケに行けばポニョを歌うし(5月中ごろから。そろそろ止めないと、世間的に何の曲かバレバレなので恥ずかしい。)、ローソンでは取り寄せ商品になる「ちいさい水鉄砲つき 前売り券」を注文。
本日は東京メトロでスタートしたスタンプラリーのチケットを購入しました。
でも、友人の日取りが会わないので、映画は封切を逃して明日行きます。ワークワク、チュギュ、ワークワク、チュギュ。
コメント
_ ダイスケ ― 2008年07月26日 14:14
_ しらいしろう ― 2008年07月26日 15:35
ダークな部分も基本的には自分の範疇内だとは思うんですが、素直に歓迎できないのが宮崎アニメ。
▼徳山館「好きではあるが,愛してはいない。」
http://masaki-tokuyama.cocolog-nifty.com/tokuyamakan/2008/06/post_1c38.html
徳山館さんの表現、激しく同意です。
掘り下げるとヲイヲイな部分もあるんですが、今回は(表面的でも)口当たりイイので、近作では一番楽しみました。宣伝文句に乗っかるつもりはありませんが手描きの良さは、好きですし。
シロウ、ポニョ好きー!
シロウ、ミヤザキは(やっぱり)ビミョー!
つーことで。感想エントリー書きにくい作品なんでパスしようかと。
_ ダイスケ ― 2008年07月26日 16:09
ミヤザキって、悪い魔法使い?
_ しらいしろう ― 2008年07月26日 17:22
悪い魔法使いかどうかは分かりませんが、立派な“女の子好き”ではないかと。
今回の作品の発表に、孫でも生まれたのかと勘ぐっていました。正直言って、息子さんには「ゲド」作るより、お子さん作るほうが重要に思えるんですが……。(人様の人生に何か言える立場じゃござんせんが。)
実際にはポニョのモデルは作が監督の近藤勝也さんのお子さんらしいし、実生活の刺激としてはジブリスタッフの保育所が近接され、そこで子供たちと触れ合う機会が増えたとか。
悪い魔法使いかどうかは別として、ビミョーなオーラが出てるのが傍観者としては苦笑。
でも、それらがいい作品を作るパワーソースならば健全でいい事なんじゃないかと。無理やりまとめ。
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「パンコパ」のような直球のかわいらしさは……うーむ。
「トトロ」は表面“だけ”なぞれば充分にかわいらしい作品だったと思いますが、今回は正面切ってダークだったと思います。むしろ「もののけ姫」的に。