マグカップの旅2009年09月28日 09:17

あ

完全修復ニュープリント「地下鉄のザジ」に行く2009年09月28日 16:36

完全修復ニュープリント「地下鉄のザジ」新宿武蔵野館
フィルム生誕50周年記念で26日より完全修復ニュープリント版「地下鉄のザジ」が公開。

■「地下鉄のザジ」公式HP:http://www.zaziefilms.com/zazie/

自分は20年ほど前に、フィリップ・ノワレの出演作を片っ端に見ている頃に出会った作品です。そのせいか、見る前に想像していたほのぼのコメディ的な(タチの「ぼくの叔父さん」的な)イメージとのギャップにいい意味で大インパクトを受けました。
振り返れば当時、既に30年が経過していた作品ですが、今回見返した感想とまったく変わらず、古びるどころかますますエキセントリックな魅力を増していて、楽しい上映93分です。

あらすじは、あってないような映画。
パリのおじさんの家に預けられたザジの一番の目的は地下鉄に乗ること。しかしスト中の地下鉄には乗れずにタクシーでパリ見物。怪人物が現れ、パリを舞台に追いかけっこをくり広げ……。

説明すればするほど、映画で受ける印象からは遠ざかっていくような展開。

前半の追いかけっこシークエンスは特にアメリカン・カートゥーン的で、見たような構図がたくさん登場します。空間の論理の無視を実写でテンポ良く見せるところは、むしろ今だからこそ楽しむことが出来ました。

後半は、“パイ投げ”的、破壊の大脱線。
他のルイ・マル作品との違いを考えても、この特殊映画の面白さは、なんともいえず。これだけやりたい放題だと、観客を選びそうですが、その意味で言うと不思議な一般性があるのもマルのバランス感覚でしょうか。

名画と呼ぶには、チョット変なこのフィルムがお色直しして再映。スクリーンで見られる! この機会にめぐり合えただけでも幸せです。

地下鉄のザジ/新宿武蔵野館ディスプレイ

劇場内には、こんな大掛かりなディスプレイも!
中央はパリのヘンテコ世界を再現した水槽です。

映画をイメージした水槽
2台重ねの車は、劇中のこのシーンを再現してます。
ZAZIE dans le métro
愛を感じるこの再映に、ファン感涙。

ちなみに今回の上映ではパンフは作成されておらず、劇場オリジナルの販売品はポストカードセット(3種セット/450円)のみ。

事前にはポスターなどの印刷物と前売り券でプレゼントされたポストカード(1種)、チラシ(B5版)、チラシ(ミニサイズ2ツ折)などが作成されています。コレクター的にはこれでコンプリートかな?