ミルク/フロストxニクソン(早稲田松竹)鑑賞 ― 2009年10月01日 17:22
■フロストXニクソン公式HP:http://www.frost-nixon.jp/
■ミルク公式HP:http://milk-movie.jp/
「フロストXニクソン」はウォーター・ゲート事件の後に、単独インタビュー番組をとることに成功したデイビッド・フロストと、その番組を利用して世間的なイメージ回復を図ろうとしたニクソン元大統領のトークバトル・サスペンス。
評判にたがわず、ニクソン大統領を演じたフランク・ランジェラの演技がみもの。大統領のオーラを感じさせる演技に、沈黙と表情だけで見せる瞬間の語るパワー。
そしてバトルの果てに得る勝利の複雑な味。ロン・ハワード監督作品にハズレなし。満足。
そしてもう一本は「ミルク」。
ミルクと言っても、牛乳ではなく70年代アメリカで活躍した実在のゲイ政治家、“ハーヴェイ・ミルク”を描いた作品。
この人物については、以前から聞いたことはあったものの、(ドキュメンタリー映画「ハーヴェイ・ミルク (1984)」がある。今回は劇映画。)詳しく知らなかったので、今回の映画で初めて詳しい活躍を知ることになりました。ゲイの政治家というと、ゲイ・リブとして活躍しか意識しなかったけれど、実際にはマイノリティの代表としていろいろな差別から、人を救いたいというとてもストレートな行動欲求を持っていた人なんだと、素直に心動かされた。
こういう、ある意味においてヒーローを扱うとどうしても聖人君主としての美化がなされがちですが、その点が映画は絶妙なさじ加減。生理的にスレスレ、もしくはアウトな面も投げかけてくる姿勢は、観客として“自分の中のボーダー”を意識せざるを得ない瞬間があり、ストーリーの進行とは別に考えさせる機能を持っていると感じた。この辺は(まだ未見なので)おそらくドキュメンタリーと大きく違う部分だと思うので、ぜひとも、ドキュメンタリー映画の方も観てみたくなった。
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