ドラえもん映画祭の2日目初回は目玉の『のび太の魔界大冒険』2010年02月07日 16:13

神保町シアター 『ドラえもん映画祭』初日朝9時19分
翌日は、おそらくヲタクにとっての大本命『のび太の魔界大冒険』。
この作品が目玉扱いされている理由は今やファンには不要でしょう。人気アイドルが主題歌を歌うというセールス的プロモーションが行われ、話題になったものの劇場での上映とTV放映(地上波)までの契約だったのか、ソフト化の際、新たな契約をクリアーせず主題歌とメロディーを差し替えたヴァージョンになってしまい、当時のままの姿でソフト化がされていない作品。
当時のままの姿を観るにはオールナイトなどのフィルムでの再映の機会のみという難易度。近年、機会がなかっただけにファン前評判として一番の盛り上がりを見せていたタイトルなのです。

先日、チケットをいらないといっていたM氏も、ちゃっかり「観られるならば『魔界』!」と宣言。4人まで券は買えるから、自分がとれるならば、取っておこうという約束に。

はて、昨日の盛況振りと『魔界』のいわくつきの人気を考えると何時ごろに行けばいいのだろう。すくなくとも昨日のような最前列で観るのは嫌だし、寒さをこらえて劇場まで出向いて、無駄足になるのもばかばかしい。“自分会議”の協議の結果、昨日よりも30分……いや、1時間も早ければいいだろうという計算に。いや、起きられるならばなるべく早く行こうと思ったけれど、始発時間に目覚めてから、その気温の低さにふとんから出ることが出来ずに、2時間近くウダウダ、ウトウトしてました。

いよいよおきないとマズイ!と起きて、神保町に着いたのは朝7:20。昨日と同じような列の伸び方だから、1時間近く伸びが速かった計算。その意味では計算どおりだけど、問題はその人数。係員さんのカウントに寄れば94番目だそうだけど、手前の人が何枚買うかは、神のみぞ知る……。水晶玉に映し出される選ばれし戦士99人は、どこまでなのか!

自分から数人後のお客さんはそらくギリギリ99人に入っているか危ういあたり。そのギリギリのあたりの人が、強い口調で希望の映画が観られなかったときの対応を尋ねていました。前売り券を友人たちの分と合わせて複数持っているけれど、それが使えなかった場合返金はされるのかというのが主な趣旨。

すぐには回答できず、スタッフはしばらくして戻ってきて答えていました。
「前売り券は当日価格よりも200円安いという部分が優待部分で、希望のタイトルが見れない場合の保障は出来ないし、納得の上でお買い上げいただいているので返金は出来ません。」
趣旨的にはこんな感じの返答でした。

他人事ながら「いや、その理屈はおかしい」! 通常のロードショー映画や、名画座の普通のローテーションで回している作品ならばわかります。1回逃しても次の回で使えるから、その理屈はアリだと思います。

しかし、今回の上映形態はほとんどが一回限りの上映。追加上映がある数作品を除いては、1チャンス、1オンリー。開催側の理論としてはどれも「ドラえもん」で同じかもしれませんが、客にとっては違います。注文した単行本が1巻なのに2巻を渡すから、「かんべんな。」と言われて納得する人がどれだけ居るでしょう。仮にEDの曲を歌うコンサートだったとして、キョンキョンが満員なので武田鉄矢でガマンしろという理論なら乱暴すぎます。
チケット注意書き

「どの作品でも使えます」と言えば聴こえは良いけれど、チケットの表示どおり10時に来ることしか出来ないお客さんは、1本も使えずに終わる可能性だってありますよ。全作品を観ようと安く上げるためにチケットを29作品分用に3回券を10枚買ったら、1度でも整理券からアブれたら800円分ずつパーです。
売ってるものが、似ていてすべて違うのだから、そもそも共通3回券を800枚も売ってしまったこと自体が問題あるように思えます。(神保町シアター窓口初日だけでも237枚売れたという人気は嬉しいけれど、楽観過ぎる気がする。各窓口で100枚完売しているのも驚異的。)

使えない可能性も「納得いただいている」は、かなり乱暴。
仮に800枚(切り取れるので2400人分)が、全員当日券よりも後ろの99番目以降に並んだら……。おお、怖い。全員使えないチケットを買ったことになりかねない。

よもや、全部同じ列で処理するとは思わなかったから、今回の対応はこの先を想像するだけでゾクゾクなのです。前売り券にはディズニーランドのファスト・パス的な枠があるのかと自分は予想してました。

『魔界』を過ぎれば、ピークは過ぎる、と自分も思うのですが、若く自分と違う感性のお客さんたちの会話に聞き耳をたてていると好みは、けっこう割れています。それぞれの世代の刷り込み現象なのでしょう。自分には人気作と思えないタイトルを、熱気を持ってみたいと話しているお客さんもかなりの数、いるように聴こえました。果たして来週以降の動向は……!?

話を当日に戻して……。
8時に購入予定調査が自分のところにやってくる。。
自分の『魔界』チケットの順位は95-96番。うわわわわわわ、ギッリギリ~!!!
でも、チケット取れることが確定されたのでM氏へ電話。お祭り映画だから、一人で観るよりは良いだろう約束を守ったけれど、ちょっと列の後ろの人に申し訳ない気分に。
何しろ自分もM氏も公開当時やオールナイトの上映で散々『魔界』をリピートしてみている、オッサン・ファン。ソフトでなんて、ほぼ観ないから、むしろ風のマジカル版で観ている回数の方が多いはず。なんだか若いファンの席を奪ってしまったような罪悪感が……。

前売りをがんばって買い、凍える中で整理券を取った自分の苦労とは正反対に、開始15分前に来て前売り料金で観ていったM氏(笑)。ある意味、選ばれた勇者だ。

さんざん観て知ってる内容ながら、やはり大きなスクリーンで観るのは興奮! と、言いたいけれど連日の最前列。すごいパースのかかった絵に首をかしげながら観る状態でした。
差替BGMはたしか“だからみんなで”になっていて壮大なイメージなのだけど、楽しい魔法世界には80年代らしいポップで軽快なイメージがマッチング。「風のマジカル」メロディーで観る『のび太の魔界大冒険』はやはり魅力的。
悲しいかなフィルム状態、上映状態悪かったのが難。かなりフレーム上がってたので、終始フレームの上が詰まり気味、下があまり気味。大魔王デマオンが竜に乗って「待て~!」と追いかけてくるショットでは魔王の首がフレームアウトしてました。 orz

スクリーン・サイズにこだわったような告知があったのに、キャラの顔欠けを起こすようなセッティングで自分は石像のように固まってしまいました。
・・・・・
あと、特筆すべき箇所は冒頭グリーンドラが違う意味で色が変わってた(笑)。経年変色でモスグリーン気味だったけれども、ソフトからは未収録の“グリーンドラえもん”の告知フィルム。上映状態は散々だったけれども、懐かしいものに再会できて嬉しかったのは確かです。
グリーンドラえもんキャンペーン解説/「ドラえもん のび太の魔界大冒険(1984)」入場者プレゼント バッチの解説チラシ /劇場配布

※リアルタイムレポート&画像は以下から。
ツイログ:http://twilog.org/seegen/date-100207

コメント

_ KAGE ― 2010年02月12日 20:58

先日はお疲れ様でした。本当に凄い人でしたね^^;
確かに人気あるのが嬉しいと思う反面、対処はどうかと思う面がありました。
まあでもこういう企画自体はいいと思うのでまたどこかでやってほしいと思います。
またお逢いする機会もあると思いますがその時は宜しくお願いします。

_ しらいしろう ― 2010年02月13日 18:25

今日は始発前から人が並び、7時台後半には売り切れ確定の盛況ぶり。細かな雪舞う悪天候だったにもかかわらず!

正直、回数券を使い切る自信がだんだん無くなってきました。
その人気を支えている人たちが“回顧の客”ばかりではなく、若い世代が多いのが驚きで、救いです。

自分も、まだ顔を何度か出すと思いますが出くわしたら、よろしくお願いします。

_ しらいしろう ― 2010年02月13日 18:51

ちょっと計算。
29作品を99席の劇場でかけるとトータル2871席。
仮に800枚の3枚つづりで計算すると2400席。
差は471席。これを29作品で割ると1作品あたり16席。
つまり前売券を先に入れると当日客は先着16人しか余裕ない計算。逆にそれ以上の当日客を入れれば、入れただけ前売券を使えない人が発生。

こりゃ、確かに早々に追加上映決定するわけだと納得。
再追加しても、対応し切れるのか心配になるほどの賑わいですね。

_ twitter経由でお邪魔しました ― 2010年02月14日 09:19

今回の件は前売券でなくあくまで回数券ですからね。
万一希望作品が見れなくとも返金しない旨は当初からサイトの注意書に記されています。
それに購入時にも説明されたと思います。私は初日に回数券買いましたが、十分な説明があったと認識しております。
想定以上の混雑ですが、リスクを把握した上での購入してしかるべきかと。

_ しらいしろう ― 2010年02月15日 16:13

コメントありがとうございます。
貴方は事前に説明を受けている方もいらっしゃるのですね。自分は神保町シアターではない別の窓口だったので特に説明は受けていません。はたまたすべての方がネット環境が整い、HPをチェックしているという前提はおかしく、それで万事のフォローとは言いがたいと思います。(してないよりは遥かに良いですが。)
仮に窓口で説明受けていても、エントリー趣旨は変わりません。そもそも映画祭名義の“1回のみ上映”しかも99席のみに前売回数券800枚を出してしまった部分が暗雲だったのです。 それにポスター付前売り券が完売というネットニュースでは、多くが前売り券扱いだったので、“あれは前売り券ではない”という意見は行き届いているようには思えません。リリースにも問題があったと言うべきでしょうか?

はたまた回数券が“前売り券ではない”という指摘も、自分は矛盾していると思います。「特別鑑賞前売り券」が3枚つながった回数券は、前売券の3枚つづりと考えてしかるべき。客はすでに料金を前納している以上、“前売券”でしょう。
そこで異論を唱えるのは当日指定と引き換えられない件からの論点ずらしでしかありません。

自分にしてみるとこれは“想定外”ではなく、なるべくして招いた結果だと思っています。そこに「オヤジロック」的加熱スパイラルが働いて悪化していると思います。

ただ自分は前売り券を使用できている側なので、できていない人に比べれば、恵まれ、救われている側です。自分が観れているからOKと終わらせるならば、そうすべきかもしれません。
(自分は旧作を絶対観たいという立場とも若干違うようですし。自分の場合、観れなかったら翌週に繰越で十分なのです。限度はありますが。もう4枚回数券は使っています。残り2。たぶん使い切るでしょう。)

はたまた、もし貴殿が“自分はこうだったから主催側に落ち度はない”と言われるのならばそれも個人の意見として十分だと思います。自分とは立場も受け取り方も違うというだけです。

その後の神保町シアターが対応を怠っているとは自分は思いません。開催前から人気を配慮し、追加上映を決定し、さらに追加が行われました。
徹夜禁止と告知がされながらも雪の寒さの中にくるお客さんのために建物の中で待つよう、開放したのは前例を踏まえた上での対応変更でしょう。(もっとも“徹夜禁止”とは矛盾してしまいますが。)
起こってしまってからの対応は、翌週に素早く対応。良くやっていると自分は思います。

Twitterでも言いましたが「鎮火できるのだろうか」と心配するほどの過剰な状態になり、気になるイベントなのは確かです。意地の悪い視点と思われるかもしれかませんが、以降も観察していこうと思っています。

_ twitter経由でお邪魔しました ― 2010年02月16日 00:33

ご意見ありがとうございます。匿名で申し訳ございません。

>はたまたすべての方がネット環境が整い、HPをチェックしているという前提はおかしく、それで万事のフォローとは言いがたいと思います。
この点をふまえた上のフォローとして窓口で十分な説明があったと書いたのですが、そこに相違があったとは思っておりませんでした。前述の通り、神保町シアターでは係員から口頭での説明があり、一般販売分と一緒に並んでもらうこと、満席で見れない場合があること、返金は一切しないことは認識しました。加えて同様の注意が書かれた案内も紙で頂きました。当然ほかの窓口でも同様の対応があったものと思い込んでいましたが、しらいさんの購入された窓口では無かったとのことで驚きました。説明の必要性が十分に窓口に報知されていなかったのであれば、その点で落ち度があったのでしょう。

“前売り券ではない”の表現は、席が約束された券ではないという意味で用いました。ご指摘の通り客側は料金を前納していて、見れないことで最終的に回数券を余らせてしまったとすれば、それはシアターの丸儲毛であまりあり、客から見て好ましい状況ではないです。ただ、ファンの多いであろうドラえもん映画がこのような形で上映されるとあっては、行列・満席となることは容易に想像がついたのではないでしょうか。今回はあまりの加熱ぶりで早朝も早朝から並ばなければ見れない状況になってはいますが、仮に鑑賞する為に劇場に到着せねばならないタイムリミットが9時であったとしても10時であったとしても1人でも遅ければ見れないわけで、券が余るリスクは最初から背負っていたのではないでしょうか。

ちなみに私は見たい作品があって3枚回数券を2つ購入した口ですが、2作品見られずレイトショーにかけている状態です。次回も無理であれば本当に人気なんだなあと笑って済ませるつもりです。ある意味泣き寝入りですが。試算されている通り回数券の販売数には落ち度があったのでしょうが、その後の対応のよさを見るに次回同じようなイベントがあったときは同じ過ちは繰り返さないスタッフ方だと思います。皆が同じようには済ませられないでしょうが、回数券が余った際はよい勉強になったくらいに思うようにします。

コメント欄をお借りして個人の意見をぶつけてしまった点については反省しております。ご意見を返して下さいましてありがとうございました。来週以降も観察の記録を楽しみにしております。

_ しらいしろう ― 2010年02月19日 17:17

匿名の方でも、匿名だからこそ話せるならば、有益と思います。(無意味な噛み付きだったならばスルーしていたと思います。)

自分の場合、池袋オールナイトの前売り券にしても、ゆうゆうと劇場まで買いに行って、シナリオ付を買える時代が長かったので現状の大人の人気は信じられない部分もあって驚かされます。

普通のロードショーであったり、名画座の特集上映ならば、ここまでのことにならなかったと思うのですが、なんとも。
前売りで8割が完売したイベントの対応として、どうフォローされるか。気がかりです。
今後は繰り返さないという“あたたかい目”は寛大かもしれません。ですが、普通ならば売り切れた時点で予測できたように自分は思ってしまうのです。闇雲に許すことは“あたたかさ”というよりも“諦めが良い”だったり、日本人的“事なかれ主義”な気がして…。大好きな「ドラえもん」を汚したくない気持ちから、そう考えるのも、とても理解はできます。
自分も、直接クレーム言うつもりは正直ないんですが。ただ、対応に満足はしていません。“次回から”を言うと、今回は完全に問題のまま終わることを前提にしてしまい、解決を諦めることになっています。しこりを残さないためにも強いフォローを期待しています。

もはや夜中でないと先頭付近は確保できず、始発電車で来たお客さんでさえ50人位以降。正直、自分は希望タイトルが観られることを諦め気味です。
こういう状況が予想できなかったとは、小学館系のシアターとして不勉強すぎるように思えてしまうのです。(オールナイトの盛況ぶりなどを参考にできそうです。そもそも1作品1回に無理が…)

今週、自分は行けない日があり、残念な感じです。

本当に、遠方から来るお客さんの足労と早起きには頭が下がるばかりです。
無駄足をさせないサービスとして神保町シアターが試験的に行っていた混雑状況ツイートは有益だったのですが、今週は諸般の事情により中止とのこと。
無駄足が増えること確定で、かえって大変な事になる週だと思ってます。皆様の幸運を祈って。(先着99人の幸運?)

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