ソフビ人形/キングザウルス復刻ゴジラ 新旧 ― 2010年02月15日 02:50
以前は、自分の世代に引け目なのか、年齢的にノスタルジックに浸ることを拒否していたのか、ブルマァク時代はレトロ路線としての正当性に比べキングザウルス・シリーズは下の印象を持っていました。素直に褒めたり愛好するのは恥ずかしいという感覚です。
でも、最近は素直に自分の世代の怪獣たちが愛おしい存在で、あの時代特有のディフォルメとカラーリングに惹かれるようになっています。
思い入れあるものと言えば大部分は自分の持っている子供時代に購入してもらった物なのですが、例外的に時限装置が働いたように惹かれているのがゴジラ・シリーズです。子供時代はウルトラ中心で、ゴジラを欲しがる頃には商品が姿を消していました。
キングザウルス・シリーズは比較的手の届きやすいプレミア価格で取引されることが多い中、ゴジラシリーズはそれより高い価格帯で取引されています。シリーズ中でもサブ扱いに感じる当時のひっそりとした印象からすると、売り上げ数はウルトラ・シリーズより低かったのでしょう。
懐かしさを感じるという意味では、当時のものを買うべきなのでしょうが、いかんせん財布は万年冷凍庫。お手ごろ価格で手に入る復刻版があるならば、それに越したことはないのです。
今回、購入した品はここ5年内にスラッシュ・カンパニーから復刻されたものです。店頭で見かけた経験はなく、今回もネットオークションを利用。発売時の値段からはかなり割引でした。
キングザウルスのゴジラはスタンダードが2種あって、最初に出たものはこのスタイルです。先に発売されていたウルトラ怪獣「ジラース」の原型流用で、えりまきを単純にとっています。(注※…というのは誤認。後年検証、記) ジラースは以前から持っていて、慣れ親しんだ存在。勝手知ったるディテールは、新鮮味ゼロ。(当たり前) それだけでなく、やはり流用がたたって、どことなくアンバランス。きちっとフォルムを意識して造形された背びれも、どことなく大きすぎるように感じるし、何よりも首もとが寒そう。
多数存在する復刻版のカラーバリエーションの中で、これを選んだのは選択肢の中で安かったことと、ゴジラに対するイメージで“緑系”という発想が依然強く、下からライティングされたようなグラデーションの色味が、オーロラ社のプラモデルのゴジラを想起させカッチョイイと思わせてくれたから。
実物を手にしてイメージが違ったのは目つきが一回り小さく初代風にダウン・サイズされている部分で、かなりこれは違和感。よほど暇があればリペイントして楽しむかも。
さすがに流用では怪獣王が泣くということなのか、ほどなくして入れ替わった新造形のゴジラがこのスタイル。
カラーリングはこちらもオーソドックスな緑系。
今回の購入で、予想以上に実物を気に入ってしまいました。最新作が『メカゴジラの逆襲』で止まっていた当時としては一番ストライクなまとめ具合。そして、この造形と怪獣消しゴムのゴジラのディフォルメセンスに、多くの共通点を感じるのも“たまらない”要素のひとつです。おそらくこの部分に“かゆい場所をかいてる”的快感があるようです。
適度なところで太短い尻尾。玩具的納まり感がいい、省略された背びれ。いまでこそ微妙な箇所こそが、この立体の魅力に思えます。
そうそう、キングザウルスの最大の特徴である足型も当時のまま。尻尾部分の刻印は、さすがに変更されてしまっていますがポピー刻印の名残はかえってうれしい要素です。
(新)ゴジラだけにしておけば良かったかなと若干思わなくもないのですが、手元で握ってこその怪獣ソフビ。心ゆくまでいじりたおしたいと思ってます。
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