Tシャツ/おとうさんとぼく(96年ごろ) ― 2011年07月02日 17:49
E.O.プラウエン作のドイツの古典漫画「おとうさんとぼく」。
ドイツに訪問したときにはドイツ版単行本と、並んでいたこのTシャツとエコバックを迷わず購入しました。もしも他にもグッズが並んでいたら、ごっそりと購入していたことでしょう。それくらい好きです。
これを着ていたら、背中の4コマを読んで「あんまり面白くないね。」とキビシイ感想を投げかけられましたが、やはりキャラクター性は重ねて読まないとつかめず面白くないし、パンチの効いたギャグはキャラクター・パーソナリティーとは違うところに向かってしまうせいか、両者を合致させて1つだけ選ぶというのは難しいと思います。自分はキャラクター性を理解しているから、「ほのぼの」できるんですけどね。
小学生時代、岩波少年文庫でこの作品を読んだときは、まんがとしての暖かさでぬくぬくしていたのに、解説で添えられた作者の欄万丈の人生への衝撃になんともいえないマンガという仕事の崇高なものを感じたものです。
政治風刺を得意とした作者でしたがナチス支配下のドイツで反政府的とにらまれ変名で作品を発表しました。故郷の名を取り入れたペンネームで発表したこの作品は一切政治に触れず、ひたすら暖かい生活を活写したまんがです。作者はその後ゲシュタポに投獄され、獄中自殺をしてしまいます。
この作品とは間逆のような生き様がショッキングでした。そんな作者が描く幸せの世界。そのかけがえのなさは、いつ読んでもまぶしいです。
(以前も書きましたが、違う書名で復刻されています。)
ともあれ、今年も自分はこのTシャツを着ています。
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