三菱銀行貯金箱/ピノキオ(1974) ― 2013年03月18日 18:24
考えてみると、ピノキオの体型は手足が細く、ソフビ成形には不向きなフォルムをしています。成形の限界を超える成長を待っていたのか、それともポージングでフォローする吟味を待っていたのか、現場での苦労があったように感じ取れます。
実際仕上がりのポージングは、どちらかと言えば「考える人」のような静のイメージで、シリーズの中でもちょっと異色な印象を受けます。これは、やはり手足を突き出す元気なポージングだと型から抜けないからという、苦肉の上でのポージングだったのではないでしょうか。
切り株に座った、台座つきの配置は白雪姫や、台座付の意味でバンビに通じるものがあります。
二つ並んでいる画像は我が家にいる2つの個体ですが、向かって右が前期、左が後記のようです。色を塗るマスクがヘタレてきて、マスキングの精度が落ちてしまっているところからして、左がルーズなのが見て取れると思います。
ランプウィックとプレジャー・アイランドで夜更かしをしてしまったのでしょうか、目元は精気を失って、まるで徹夜明けの目線のようになってしまいました(笑)。
羽の色が仕様変更の上の省略なのか、はたまたこの個体だけの塗り忘れなのか定かでありませんが、そんなブレも左の個体は見せています。
シリーズの中でも人気あるピノキオですが、それは目の彩色など作りの細かさはもちろん、ムードを醸し出すポージングデザインによるのではないかと思っています。
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