今日は何の日、って未来じゃん2006年09月03日 06:20

新刊 てんとう虫コミックススペシャル『ドラえもん カラー作品集』第6巻 藤子・F・不二雄:著
TBSラジオの早朝「今日は何の日」コーナーの中でドラえもんの誕生日が取り上げられていました。
アナウンサー的の静かな抑揚で「今日は2112年、ドラえもんが生まれた日です。」と言われると凄く不思議な感覚でした。普段は歴史上の記念日やらイベントが開催された日、何か有名な商品の発売日を紹介するのに突然フィクションが混じると「ルールが違うでしょ」と思ってしまいます。ドラえもんのファンなのに。
一言知識的なコメントとしては、昔は青ざめて青くなったと言う設定でしたが映画『2112ドラえもん誕生』でメッキが剥げたと変更されましたと……。
TBSラジオ、変なところでマニアックです。

画像:最新刊『ドラえもん カラー作品集』第6巻。奥付の日付が誕生日にあわせてあるのが芸コマです。

『ディズニー・アート展鑑賞会』2006年09月03日 23:17

『The Art of Disney』チケットと『ディズニー・アート展鑑賞会』パンフレット
日本アニメーション協会(JAA)の主催イベントで『ディズニー・アート展鑑賞会』と言うものに参加させていただきました。

アニメーションに携わるその道のプロの方々に囲まれて展示を鑑賞し、その後、会議室で鈴木伸一さんとおかだえみこさんの解説を聞き勉強会。そして希望者は再度、展示に舞い戻ると言う流れでした。

先にも感想を書いた通り、自分の鑑賞は2度目。最初は量に圧倒されて”アワワ”としてしまいましたが、全貌を把握している分、二回目は自分にとって重要なところをじっくりと見ることが出来てとても良かったです。
鈴木伸一さんは初来訪とのことで、ナインオールドメンのブースから動けなくなってしまったと笑いながら話されていました。

午前中のフリーの鑑賞時間が終わって、会議室で昼食。食後、授業(?)の開始です。
講師は前述のお二人に加えてジブリ美術館の学芸員の三好寛さん。今回の作品選定に渡米し、その時の苦労話を紹介されていました。
会の流れは講演や大学の授業のようなお堅い雰囲気ではなく、お喋りのようなもので、気軽に質問を差し挟んで、そのまま答えてもらえるリラックスした空気でした。
アニメーターの会なので、話は専門的な事が多くて敷居が高いのかと思ったら、そんなことはありませんでした。(もっとも、自分は近い職種ですが。) リラックスした会場ではありますが、いらしている方々は有名な方ばかりなので、ちょっと緊張。外注だと謙遜されていましたが日本で製作されたディズニー作品(『ガミーベア』『チップとデールの大冒険』系?)を仕事でタッチされたと紹介される方もいました。(漫画ならば「自分も!」とはしゃぎたい所ですが慣れない場所なので小さくなってました。)

話の流れで次々質問が浮かぶのですが、ことごとく他の人の質問とかち合って、タイミング逸しまくり(^^; これがシライ・クオリティ。
作品の選定にまつわる話は日本テレビで放送された特番と開場で流されているドキュメンタリーとかなり重なる話でしたが、どういう注文で作品が出てくるかなどを聞くことが出来ました。
初代の展示会の再現をコンセプトにしたために~「眠れる森」までと範囲が決まっていたのに、伝達ミスで歴代プリンセスの原画がドッチャリ出てきた話などはうらやましい失敗談でした。
はたまた、出てくる量が尋常ではなく選びきれないという仕事の流れを聞くにつれ、展示品の不思議な選定に納得するものがありました。
自分の予想は遠からず当たっていた感じです。

おかだえみこさんのお勧めは『風車小屋のシンフォニー/Old mill(1937)』。
人生を変えてしまった一本として、その凝縮した魅力を語られていました。 新ためて解説するまでもなく、この作品はマルチプレーン・カメラ(※多層の絵を撮影するカメラ台。)の導入第一作。その深みのある画面と詩情溢れる風景の活写に一部の隙もなく、ストーリーはほぼないのに魅了されると絶賛。
良さは共有できますが、リアルタイム世代的な感動は計り知れないものがあって、自分に置き換えるとあの作品かな、とか考えていました。


折角だったので、鑑賞中の鈴木さんには悪かったのですが気になっていた件を聞いてみました。
その件は雑誌『ディズニー・ファン』八月号に『ディズニー・アート展』の柳生すみまろさんのコラムで今回展示される『蒸気船ウィリ-』の鉛筆画のことに触れた文章~ (P51)の部分です。
 興味深いのはアニメーション・シートの穴で、良く見ると、下のほうに穴が3つあります(中央が正円、左右が長い穴)。これは、紙を固定するためのものですが、ディズニーのスタジオは、1935年まで中央に4インチの間隔をとった“2つ穴”システムでした。ですから、この絵は作品の製作過程のものではなく、べつに描かれたのかなとも思えます。

確かに展示されている原画の内、クリーンナップされた絵(上の画像の元になるもの、スタンプラリーカードより。)は3つ穴タップで、他の色指定らしき2枚の原画は四角い2つ穴タップです。
鈴木さんならば明白に答えてくれそうだと思ったのですが「そんなに詳しくないけれど」と謙遜されながら、色指定は2つ穴で別系統で保存されていて動画は3つ穴タップを当時から使っていたんじゃないかナァ、と言われていました。


1Fでは前回来た時にはかかっていなかったアニメ上映があったので鑑賞。
サルバドール・ダリが協力して着手されていたものの、戦争で作られなかった幻の短編アニメーション『デスティーノ』が上映されていました。
自分は初観。
正に動くダリの絵で、アナモルフォーズを繰り返しながら展開する幻想映像で、『ファンタジア2000』に入れておけばよかったのにと言う内容。実際にはロイ・E・ディズニーが『ファンタジア2000』の後に指揮したプロジェクトのようです。国内では広島のアニメフェスティバルで上映されていますが一般公開はされていないし、ソフトも出ていないので2~3回繰り返し見ておきました。
▼Destino(2003)
■imdb:Destinoページ

最初はいいものを見た気分だったのですが、『ファンタジア2000』同様、……飽きるかも。

※「鑑賞会」については記事がいずれJAAのHPに掲載されると思うのでそちらも参照してみてください。