映画『魔法にかけられて』~オタクにはめられて2008年04月05日 06:02

魔法にかけられて / 劇場前売り券
(以前のエントリーからこぼれた細かいネタ覚書エントリーです。)

おとぎの国のお姫様が現実世界に落ちてきてカルチャーギャップで笑わすと言う設定を見ただけでも充分に楽しめる『魔法にかけられて』ですが、ディズニーファンならば思わずにやりとしてしまうシーンの連続。ライトな作風なのだとばかり思っていたら、自分の認識が甘かった。

最初に「オヤ?」と思ったのが、ジゼル姫がNYに来て、路上のサングラス売りの台をひっくり返した瞬間。これって、『オリバー ニューヨーク子猫ものがたり』の冒頭シークエンスで歌われる「ホワイ・アイ・シュド・ウォーリー」の中でドジャーがやったシーンのパロディー? いくらなんでもマニアックすぎると思い、一度はスルーを決め込んだのですが出てくる出てくるマニアックなこだわりのオンパレード。先のシーンも偶然の一致ではなく仕組まれたワンシーンだと確信できました。

<あ! 基本的にネタバレエントリーなので未鑑賞の人は読まないでください。>

思えば、しょぱなからヤラれてました。
ピクサーが製作した新ディズニー社ロゴもやっと見慣れてきたと言う時期にあれです。ロゴの中の城にカメラが移動し始まるファーストショット。ロゴ画面が切れるのを待っていた自分は意外なカメラワークにむせてしまいました。なんたる意外性。パラマウント社のロゴの向こう側に入って始まる映画(タイトル失念)も思い出しますが、“お城”と言うキーワードが既にマッチングしていてたまりません。

以下、その城の一室に置かれた本で始まるプロローグは『白雪姫』『ピノキオ』等々、初期ディズニーで定番だったスタイル。

冒頭アニメは『白雪姫』『眠れる森の美女』などを基本とした森を舞台に王子と愛を誓うイマジネーションでしょうか。
トロルと王子が姫へ向かって競うシークエンスはドリームワークスの「シュレック」を連想させられました。(※シュレックはオーガ。)この辺、意識的なのか判断に迷いますが、後半を考えると意識的な気もします。

”願いのかなう井戸”は「白雪姫」のそれ。

NYへ到着すると場所はブロードウェー。ディズニーのミュージカル公演のある地としても意味合いのある場所ですが、前述「オリバー」の舞台でもある場所。なぜマイナー作品「オリバー」がフィーチャーされるのか疑問に思われるかもしれませんが監督ケビン・リマのディズニー初参加作と言えば納得してもらえるでしょうか。

TVスタジオ製作の『グーフィームービー』で監督デビューを果たした後、フューチャーアニメーションで『ターザン』を監督、そして実写作品『102』と作るたびにフィールドが変わるケビン・リマ。そんな彼がアニメも実写も使った作品で撮るというのは、何か一周終わって、2周目に入ったような感慨を覚えます。その意味「オリバー」は至極納得の一里塚。

振り返ればケビン・リマが入社した頃のディズニーは新体制が整った節目の時代でした。実写作品に目を移せばタッチ・ストーンレーベルの第一作『スプッラシュ』、これも舞台はNYでした。

そして、おそらくこれは自分の勝手な思い入れ。アラン・メンケンの町という視点(苦笑)。第一回『ディズニー映画祭』に出席したアランメンケンは司会だった田中美和子さんに「“マンハッタンのナイスガイ”アラン・メンケン!」とコールされました。自分にはメンケンの風貌とのギャップに妙にウケてしまって、以来メンケンの枕詞と言えば“マンハッタンのナイスガイ”だと思ってます。(脱線)

えーっと、何の話でしたっけ。
そもそも映画を見てから何週間もたってるんだから細かいネタなんて忘れ始めている訳で……。

以下、過剰書きに近いメモで消化しましょう。キリがない。

ジゼルいわく糸車で作ったドレスの糸って、『眠れる森の美女』?

魔法の鏡=TVに映る「こぐま物語」の実写部分ほか、何かディズニーアニメが混じっていたような……。

エドワードとジゼルの行くイタリアンレストランが『わんわん物語』のトニーのレストランのパロディらしく、悪役の変装もご丁寧にトニー風。

『サウンド・オブ・ミュージック』→転じて『美女と野獣』のミュージカルシーンのカメラワーク、舞踏会のシャンデリアのアップは同じく『美女と野獣』のボールルームのシークエンスのパロディ・アングル。

サントラでも『美女と野獣』のメロディが少し出てきますが、弁護士事務所のロビーでは『リトルマーメイド』のメロディと、アリエルの声を担当したジョディ・ベンソンが秘書として登場。水槽の中を覗くジゼルも輪をかけて“人魚姫”を思わせるシークエンスでした。

そういえば、どのシーンか失念したけど「あ~ひょほほ」のピント・コルビィグ絶叫のパロディもありましたっけ。かなりライトな絶叫で、不自然にならないようになっていました。

エンド・ロールは影絵のような処理で数々の昔話を見せる趣向で、ディズニーアニメにもなった『王様の剣』ほか、本編でフォローされていなかった作品も登場。

でも、そのトップバッター(※訂正アリ)は魔法にかけられカエルの姿になった王子様。これはハンドドローイングアニメーション復帰一作目『ザ・フロッグ・プリンセス』への布石! 魔法にかけられた主人公というつながりだけでなく、さらりと未来への希望も感じ取れて嬉しいエンドクレジットでした。