新橋駅前のスペース・トレイン2010年12月08日 18:37

SPACE TRAIN
新橋駅前のSL(C11)がクリスマス仕様でライトアップされて「スペース・トレイン」に変身していた! 機関手はサンタクロース。
Santa Claus
前輪の前には舞い上がるように光のレールが設置されてまるで「999」のような演出がなされていました。クリスマスとSLの関連付けに「ポーラー・エクスプレス」を思い出してニンマリ。

映画『100歳の少年と12通の手紙』 ~不公平な人生への讃歌2010年12月14日 23:59

映画『100歳の少年と12通の手紙』
14日は東宝系が「トーフォーの日=14日」というコジつけで映画が1000円で見られる日。
貧乏人はこういう日を使って生きています。

そう、自分は生きるために映画を見ているのだ。

しかし、選んだ映画の宣伝文句は逆に映っても仕方がないかもしれない。
『100歳の少年と12通の手紙』は、余命が少ない少年の、一見するとお涙頂戴の難病映画と言われてもしょうがないあらすじだ。
余命が少ないから病院や両親からは腫れ物を触るように扱われ、そこに疎外感を感じる主人公オスカーは病院で出会った口の悪いオバサンに親近感を覚える。彼女ならば自分を特別扱いしないと。そうして、病院ではどうやって使ったらいいか問題だった主人公のもとに通うようにオバサンに仕事を依頼する。
しかしオバさんは慈善なんて大嫌いの、生活を第一にした女性。そんな“余命のない子供のお守り”なんてまっぴらゴメンと思うのだが……。

大方の予想通り、以降は二人の間に特別な時間、関係性が流れる展開だ。
その意味で言えば俗に言う「いい映画」っていう枠の作品なのかもしれない。
でも自分はいわゆるソレ系の作品のスレスレを好んでしまう傾向があるので、ハズレを引いたときにはトンデモなく胃にもたれてしまう。しかし、今回はアタリだった。何しろ、主人公オスカーの「特別扱いされたくない」というスタンスや「慈善なんて!」というオバちゃんのどちらの性格の中にも自分と共有できる核を感じていた。

そして展開される物語が「失われるものへの悲しみ」という陳腐なものでなく、「正面から見据えた」「現実」、不公平や、人間関係の難しさや、人生の移り変わる感じ方や……。それら「生」を輝く讃歌で謡っていた。 視点をズラしたからこそユーモアやファンタジックたっぷりな世界になっているが、描かれているものは決してきれいなものばかりではない。でも、そこがすばらしい。

同じ原作者の映画化「イブラヒムおじさんとコーランの花」も好きな作品だけれど、少しずつ原作者(本作は監督でもある)に興味が沸いてきました。未見のもう1本も観たい。

邦題になっている『100歳の少年』とは、オバちゃんに言われた一つの考え方からとられたものだ。1日を普通の10年と考えて、今日は10代、明日は20代と普通の人生を照らして考えてみようというアドヴァイスで、10日生きれば100歳と言うわけだ。

『100歳の少年』オスカーが、親は「健康な自分しか好きじゃないんだ」と悲しむシーンがあって、胸が締め付けれた。そして彼が「病気も自分の一部だ」と明言したときは、更に胸が締め付けられた。映画とはいえ、その境地に人間がたつことの重さ。
負をも自分の一部と言い切れる彼の哲学に自分は見習いたい。

[2010/12/20エントリー公開]

Strawberry Smile2010年12月16日 14:18

Strawberry Smile
♪笑ってよ君のために 笑ってよ僕のために (「道化師のソネット」より)
どことなくピエロの笑顔に見えなくもない。

千石の交差点2010年12月18日 16:24

千石の交差点
向かいに見える工事現場は長い間銀行があった場所。なくなって愕然。

さようなら、限定品のペア券2010年12月18日 22:03

映画、ことにお気に入り作品や監督、作曲家の交差点ともなれば力も入るわけで、劇場窓口限定の得点は欲しいし、チケットがソコでしか手に入らない“限定”だなんてアナウンスされたら、それだけを買いに出かけてしまう訳で、もう盲目的な信者&コレクター状態の私です。

もちろんその尋常じゃない期待だと封切日に駆けつけてしまうわけです。嗚呼、G・トルナトーレ! 嗚呼『シチリア!シチリア!/BAARIA』!
“限定品”であるペアチケットは“ペア”じゃなくても、2回来場すれば使える券だと自分は知っています。何しろ、昔からチケットマニアで、特にトルナトーレ監督の作品は病的ですらあるので……。

実のところ足を運んだ映画館では90年代でもイヤな目にあったことがあるし、近年だとマンガ日記にもした例の件があった劇場。よほど自分ソリが合わないのか、それとも来てる回数が多くて、その分トラブルを引いてしまうのか。

でも、基本的な資質なんだろうな。こういうのって。

独りで来た客のペア券を突然2枚分もごうとしたり、制止したら今度はタテに真っ二つ。
さようなら、限定品のペア券

あのさ、こういうことするならホント、限定チケットとか本気で勘弁してよ。こっちがどれだけ苦労してると思っているのやら。そもそも、行動の全てが意味分からんよ。俺には。で、詫びの仕方はマニュアルがないから出来ないみたいだし。

あーあ、公開一週前に30枚程度しか出てないレアチケット。(販売時のメモを覗いたのデス。)未使用、使用済みにかかわらず、自分は将来的に見つけることが出来るのだろうか。ほんと、ハラがたつ。

映画『シチリア!シチリア!/BAARIA』の第一印象2010年12月19日 22:20

BAARIA un Film di Giuseppe Tornatore
最初、「政治はいいね」の話と思った。魔法のない『ニューシネマパラダイス』とも思った。そして『教授と呼ばれた男』からの総決算とも。監督の素顔だとも。裏が出るのではないかとラストを恐れた。相変わらずでもあった。でも、ラストに震えた。やはりトルナトーレの芯に共鳴してしまった。

[Twitterより転載修正:オリジナルツイート]


映画『シチリア!シチリア!』公式HP:http://sicilia-sicilia.jp/

映画『シチリア!シチリア!/BAARIA』オリジナルサウンドトラック到着2010年12月20日 17:15

サントラ到着。大音響でかける。

こうしてみると生活ノイズを音楽に取り込むことを注文したトルナトーレは、もはや劇映画デビュー前のドキュメンタリー時代や、そもそもの故郷の集大成として作っているのだから、陳腐な「総決算」と呼ぶのが申し訳ないなぁ。

それだけ土地にこだわり、現実を愛して年を重ねたからいくつかのファンタジックなシーンを除いてリアリスティックにこだわったのがよく分かる。

映画を追体験するツールとしてのサントラとしての完成度はもちろんだけど、今回の場合は強いメロディが少ないから、どれが“土地”や“人物”についたメロディーなのか把握しずらい。その分複雑で編曲も力強いものが並ぶし、見下ろす街(もしくは歴史)についた曲は、ぞくぞくする。
痛みと安らぎの交互のアルバム構成は、まさにこの映画っぽい。曲順は映画とは違っているように聞こえるが、果たして、どれくらい違うのか。アルバム構成もまだまだ興味深い世界。



Baaria - TOWER RECORDS ONLINE http://tower.jp/item/2630915/Baaria

余談。

今回、封切前にサントラCDを購入しようとCD実店舗やネット店舗を探しまわった。驚いたのは邦盤がないことと邦題をつけた形で検索がひっかからないこと。また値段もまちまちで、タワレコで驚いたのは店頭で買うほうが高くてネット店の方がかなりの割引率の値段設定だと言うこと。 店の客よりもネットのお客が大切にされる時代になったのだとしたら、自分は悲しい。