映画『トゥルー・グリッド』『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』2011年06月28日 23:59

映画『トゥルー・グリット』劇場ポスター
RS中に観たかったまま逃していた『トゥルー・グリッド』を二番館に追いかけて鑑賞。期待通りの映画でスクリーンで観れる期間に間に合って良かった。

スピルバーグ×コーエン兄弟、『勇気ある追跡』のリメイク、昨年アカデミー受賞で円熟かつ大活躍のジェフ・ブリッジス主演、また本作デビューにして助演女優賞ノミネートの新星ヘイリー・スタインフェルトと話題のは事欠かない作品だけど、評判抜きにしても、気に名手間した。
ストーリーは親の仇討ちを決心した14歳の少女の追跡西部劇。

賞に振り回されての評価はしたくないけれど、確かに少女を演じたの演技はヘイリー・スタインフェルドは輝いていた芯の強い、大人顔負けの駆け引きに出られるあのキャラクターをビシッときめて、気持ちのいいキャラクターだった。
主要3キャラクターは全て魅力的で、かたくなに見えて実は誇大に語りたい老保安官コグバーン(ブリッジス)も、間の悪いまっすぐなレンジャー隊員ラビーフ(マット・デイモン)も存分に“人物像”にぬくもりを感じられた。映画を観終わると、主人公のマティの想いを共有できる分、この二人との時間がとても大切な時間だったことを共有できるラストにつらさを含みつつも幸せなため息をつくことができました。

充分に幸せな時間だったのですが、そこは“二番館”。二番館の一番幸せな部分って予期できない出会いだと思う、レコメンド的なモノだと思うのですが、今回はそこでもシアワセだったのです。

映画『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』
『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』自殺の真似事と他人お葬式に参列すのが趣味の生きる意味を模索する19歳の少年と自由奔放、生きることを楽しんでいる79歳の老女の恋愛物語。1971年の作品。

正直、事前情報はゼロに近い状態。ただ映画ファンの優等生的な先輩が、再映で見たがっている姿があったので、それだけで“観ておきたい”と思わされた一本。

結果としては、大満足の上のフル・オブ・絶頂。

たぶん目当てで観た『トゥルー・グリッド』よりも、年数を経ても心に残り続ける一本はこっちだと思わされた。それが最短の感想。(比較でトゥルグリには申し訳ないけど。)

死の甘美な香りと個性のマイノリティーという世界は、自分にとっては身近なモノだし、死と生のコントラストを持たせた活写は見事としか言いようが無い。こういうのは見た直後に言語化して感想を記すよりも時間の熟成を待ちたい。だから多くは書かない。

二番館、バンザイ。