マイマイ新子と千年の魔法 ~無印良作 ― 2009年12月11日 13:49
かくして今日を逃すと近郊の上映館は一気に減り、上映がある館でも日に1回しかかからなくなってしまうという節目。なんとしても滑り込まないと、自分はきっと劇場にくる根性がない。と、そういうスケジュール的な後押しもあって、観ることができました。 物語は昭和30年代の山口県。当時としては平均的な小学三年生の新子は想像力の豊かな子で、千年の昔に栄えた都を想像し遊び相手にしていた。そんな新子のクラスに東京から転校生が貴伊子がやってくる。
ほんとうに、一言で伝えるならば山口を舞台とした「赤毛のアン」であるのだけど、背景や人々の暮らし、お国ことばの味わいのすべてが心地よくて、日本人でよかったと思える味わい。タイトルからして夢と魔法のファンタジックな物語かと考えていたのですが、そんなことはない、リアリティーを備えながらも輝かしい素敵な世界でした。
また子供を主人公とした映画として、成長は避けて通れないテーマですが、その距離感がまたとても良かった。厳しい現実にぶち当たった時のやりきれなさ、あがき、そして、そんな子供の暴走を受け止める大人の対応のよさ。
物語をフィクションの黄金率にはめようとすると“子供である日の終わり”を描いてしまいたくなるもの。そこを、やさしく徐々に変わっていく季節のようにグラデーションで描く収束の姿勢。名作です。
みんながなぜ絶賛していたか、遅ればせながら分かった!
コメント
_ すがり ― 2010年02月12日 14:01
_ しらいしろう ― 2010年02月13日 18:18
ブログエントリーでは中身をまるっきり説明してないと指摘も受けてます。どーも、良さを伝えずらい作品であることは確かです。
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