映画「サマーウォーズ」 ~スカッとさわやか ― 2009年09月17日 23:59
いやはや、何が文句があろうかというエンターテイメント。
すばらしく爽快で、ハラハラドキドキに満足。劇場で上映終了後、後ろからきたカップルの男が「チョー面白かったね!」という軽いノリで感想を言ってるのが耳に入りましたが、ハゲドウです。
実のとこ、先に観た友人たちの感想がことごとく「面白い」の二の句に「だけど……」と奥歯にもののつまった言い方をするので、その“シコリ”とやらも、どんなものか確認したかったのです。
しかし、言わんとするところも分からなくは無かったです。「面白いんだけど」は、その口当たりの良さに対する物足りなさであって、その後味の良さ“=残らなさ”に物足りなさを感じるというものだったのだそう。
確かに、見終わった瞬間の高揚感は、劇場を出てしばらくすると消えてしまうものでもあるのですが、これこそ監督の狙うアクション映画的な気持ちよさと自分は思えるので、不満は無いです。(パンフレットでの記述より確認)
実際、その後味のサッパリ感を出すためにトリミングされた情報には感心する部分も多くあります。現実世界での臨場感を出すために起こっている“大事”を、気にならないように“あえて見せない”、もしくは“関係性を切り落とす”事で、物語を気持ちよく切り上げてしまう手腕。
結局のところ家族の中だけで、ほとんど終わってしまうのはそういうギミックも果たしていると思うのですが、反面、隔絶されてしまった印象もあって、せっかくの舞台装置である田舎の風景が単なる背景になってしまっ多印象派否めません。でも、逆に言えばそっちはオマケだったんじゃないですかね。
またデジモンなんかと違って、特殊状況の世界なので自分は共感できるキャラクターの立ち位置がなかったのも残念でした。大勢の親戚がいるような田舎の風景は自分の体験の中に無いし、結婚して他人が突然家族になるような体験も無いので、その意味では完全なバーチャルとして田舎の家庭状況も楽しむ観客でした。しかし、人がたくさんいる集団生活の空気は充分に伝わってきたので、楽しいフィルムでした。
バーチャル世界OZ(オズ)のデザインに、ゼッタイ村上隆の参加があるのだと思って、観ていたのですがこちらは取り越し苦労。監督の経歴の中に村上隆のプロモーションフィルムがあったので、そことの共通性だったのでしょうか。
あの「カワイイ」のエレメントは不気味な無機質を備えているので、“ぶっこわしたくなる”生理的な感情を、妙に汲み取ってもらえたような爽快感がありました。
アクションシーンの欧州にはただただ飲まれっぱなし。
ゲームの興奮といえばそれまでですが、アクションシーンは爽快。
花札、和のテイストで海外のOTAKUのハートも鷲づかみ確定。
夏の終わりに駆け込みして満足の爽快映画でした。
最近のコメント