三菱銀行貯金箱/くまのプーさん(1994)2011年06月30日 05:33

三菱銀行ディズニーキャラクター貯金箱/くまのプーさん(1994)
三菱銀行ディズニーキャラクター貯金箱としては二度目に登場になる「くまのプーさん」です。前回登場の67年版がリアルタイムの登場ならば、こちらはブーム到来を反映しての登場です。

それまではディズニーといえばミッキーマウスこそが一番の存在で、他のキャラクターは二の次。今でも一番のスター扱いというスタンスは変わりませんが、別ブランドの重要性に以前よりもましてセールスをする時代に突入。90年代中盤のプー人気は“ミッキーファン”とは関係ないマーケットとして強く存在していました。言うなれば、60-70年代のバンビ的ポジション。ベビー・グッズへの相性の良さにプーが完全にはまり始め、以前よりいっそう存在感が増した頃と言えるかもしれません。

三菱銀行ディズニーキャラクター貯金箱/くまのプーさん(1994)
三菱銀行ノベルティの貯金箱も全体からすると終焉間近。前回リリースは90年ですが、テイストは80年代までのコケシスタイルを踏襲していました。ところがこのプーさんと同時リリースのグーフィーは完全にアニメのスタイルを忠実に再現する方向性でデザインがまとめられています。

再現性はすばらしく、パーツ分解は単純ながら作中から抜け出たような姿。首は可動部に設定しなくても良さそうなのに、別成型です。
三菱銀行貯金箱/くまのプーさん(1994)の分解図
昔ならばコイン投入口が後頭部に設定され、コインを通すために首は穴が開ける処理になりそうですが、ふさがったままにかぶせる形で頭部がかん着されています。これは貯金箱としての機能性(中にたくさんのコインをためる意味での機能性)よりもディスプレイ重視の処理に感じられます。
時は既に90年代。日本ではフィギュアブームの時期で、世間的にコレクションとしてのフィギュアの認知がなされていた頃です。このあと、東京銀行との合併時期に貯金箱シリーズへの終止符が打たれ、完全なコレクションフィギュアのシリーズになる「キャラクターズプラン」の登場へと時代は移り変わります。
プーさんのキャラクター性から言えば「まぁまぁ、いいじゃない」とのんびり構えていそうですが世間とフィギュアとの距離感が変わった曲がり角を思わせる貯金箱です。