名作玩具『エッ?グッ!』~ゴジラが生まれるタマゴ・トイ(1988) ― 2006年02月11日 02:52
タマゴの頭を回転させてネジを巻き、地面に置くとジーッと音がして数秒後いきおい良くタマゴが割れて、そのままなかの怪獣が歩き出すというギミックです。このありそうでなかったシンプルかつ王道の仕組みは正にコロンブスの卵。卵が開く瞬間、バネで殻を飛ばし、なおかつバランス良くキャラクターが着地して歩き出す、このアナログで大胆な整合性がすばらしい!
近年ではこのギミックをそのまま再現したマクドナルドの玩具もリリースされ目新しいものではなくなっているかもしれません。しかしチョロQの前にプルバック玩具がなかったように、この商品こそが元祖と言えるオリジナリティあふれる機構です。
第一弾、東宝怪獣をリリースしたこの商品は1988年に定価980円で発売。チョロ獣の再販も同時にされて久々にタカラの怪獣玩具が売り場を賑わせました。ラインナップはゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラの『三大怪獣 地球最大の決戦』を意識したかのような4種類。 ラドンは歩きながら羽をはばたかせ、キングギドラは首を振りながら歩きます。
モスラは通常のノコノコ人形とは違う機構で、イモムシのようにモソモソと動くところがスゴイです。裏を返すと足の変わりに棒を突き出し、体の後ろは車輪を使ったコロ走行。フシについた関節で動きを表現されていることが分かります。シンプルなのに、効果は抜群。動きをお伝えできないのが残念です。
商品は1988年、1993年、1999年とリリースされていますが初版のみ”まきまきマスコット”が付属しています。これはタマゴを使わないままで遊ぶためのネジ巻き用のフックでキャラクターにゆかりあるものが付属していました。(※画像はラドンに付属のメガヌロンが足りません。他はゴジラ:ビル、モスラ:東京タワー、キングギドラ:X星人円盤)
▲左上:初版、再版時解説書表紙、右上:再販時掲載「怪獣新聞」
左下:初版版”まきまきマスコット”解説、右下:アンケートハガキ
遊び心は付属品だけに飽き足らず解説書やアンケートハガキにまで至っています。初期リリースではアンケートハガキが封入され宛先はなんと、タカラ社内の”ゴジラ対策本部”。しゃれが利いています。
まきまきマスコットの付属をやめた93年版では、その部分を改稿して「怪獣新聞」を掲載。目撃談を掲載し”対策本部設置”を謳っています。
余談ですが、藤子F先生の執筆机はこの商品が置かれ著者近影にたびたび写っています。お持ちの商品はライトグリーンカラーのタマゴに入ったゴジラとクリーム色タマゴ入りのモスラ幼虫。卵や恐竜好きな先生らしい、お気に入りの一つだったようです。
今年の映画『のび太の恐竜2006』ではこの商品がのび太の持ち物として登場しています。藤子ファンとしても要注目の玩具です。
思えば1980年公開の『のび太の恐竜』は『モスラ対ゴジラ』と同時上映でしたが、26年を経てもこんな形で競演してしまうなんて「のび太の恐竜」とゴジラは不思議な縁です。東宝映画ならではのコラボ再び!
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