世界名作シネマ全集 24 ヨーロッパ映画の秀作「道」「ニュー・シネマ・パラダイス」2007年09月16日 03:46

世界名作シネマ全集24 ヨーロッパ映画の秀作 「道」「ニュー・シネマ・パラダイス」/角川書店刊
よくも飽きずに、と言われること覚悟で、また買ってます。
映画本編がまるごと入ったDVDが2枚セットされた「世界名作シネマ全集」シリーズが完結しました。最終巻には「ニュー・シネマ・パラダイス」と「道」が収録。記事部分も純粋に欲しいし収録DVDの形態も気になり購入しました。

角川書店HP:世界名作シネマ全集
http://www.kadokawa.co.jp/meisaku/


「ニュー・シネマ・パラダイス」は現行のデジタルリマスター版ではなく旧マスターを使用。一般敵考え方からいえば古いマスターを使用していると聞くと格が落ちるような錯覚を起こしそうですが、これは最初に発売されたDVDのマスター。そして、日本で流通しているDVDの中では一番、劇場公開時の編集に近い形になっています。デジタルリマスターで欠落した音声もきちんと入っているし、ほかのシークエンスのイントロが間違って入ったりすることもありません。
日本初公開時との編集違いは少年期トトが映写窓を振り返る部分で入館する客が大声で入ってくる部分が増えている点、エンドクレジットに老エレナが出ない点です。老エレナに関しては「完全版」というバージョン違いでブリジット・フォセーが見られる現在となっては、救済措置の意味を失うっていますし、契約上の問題もあるのかもしれません。残念ですが、現状でもいたしかたないのかと思うようになりました。デジタルリマスター2時間版の出来が惨憺たるものであることを考えると、最良のバージョンを取ってると思います。 「ニュー・シネマ・パラダイス」の入門としてだけでなくイタリア映画の入門書としてもなかなか良いセレクトだと思います。「道」とセットで改めて鑑賞するのは意義深そうです。

先日、亡くなられた阿久悠さんが寄稿し「ニュー・シネマ・パラダイス」に対して“口惜しい映画”として共感を述べている点も一読の価値ありです。

また、とかく平たい評価を受けがちな「ニュー・シネマ・パラダイス」ですが、この本の解説ページは定型のものではなく、的を得た記述が多いのも嬉しいです。本がDVDのオマケになっていない点も高く評価したい“本”です。

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