HMT/オリバー~ニューヨーク子猫ものがたり指人形(1988)2009年11月26日 04:09

McDonalds Happy Meal Toy / Walt Disney Oliver & Company (1988)
「あの頃のしらいしろうは、まだオカシクなかったよね」

そう追想されるのはディズニー映画に出会って、まだ間もない頃。オカシイの意味は、コレクションに埋もれている狂った生活のこと。「アラジン」に本公開時には、恥ずかしながらアクションフィギュアを買ったという記憶があるから、部屋が魔窟になったのはそれ以降ということになる。何がきっかけでコレクションで身を滅ぼしたのか……。(もちろん、それ以前から藤子マンガや怪獣に夢中でコレクションはあったのですが、ディズニーが加わって加速度的にオカシクなったのです。)

きっかけをゆっくり思い出していくと、第一回ディズニー映画祭が行われた今はなき渋谷東急文化会館が脳裏に浮かびます。映画のタイムテーブルの合間にあがった屋上。そこではフリーマーケットが行われていて、近隣住人が雑多なものを持ちよりブースに並べていました。午後の日差しもまだ強い中に、この人形たちはありました。

前年の夏休み夢中になったディズニーアニメーション『オリバー ~ニューヨーク子猫ものがたり』の姿にピンと引き寄せられた自分。日本のマクドナルドでは大人になっても“お子様セット”(ハッピーセットと名前を変える以前はこの名称だった。)を食べて、時々玩具を入手していましたが、そこまで熱中していたわけでもなく、ましてやディズニーのキャラクターフィギュアでタイムリーに玩具を楽しむ習慣がなかった自分は、その商品化自体に目を丸くしてしまいました。多少割高と思ったり、中古なのにと思ったような記憶もあります。しかし、正体の知れないオリバーたちの小さなソフビ人形4体は、かつてない興奮を自分に与えてくれました。

表面の文字を読むとそればマクドナルドのキャンペーン品らしいということは分かりましたが、不可解なのは後頭部にあいた穴。後年、これらは指人形とわかり、その穴は指を刺す穴だと分かりました。犬猫というフォルムを活かしたのでしょうか。上から操り、歩くような動作をごっこ遊びで再現できるのがコンセプトのようです。底ではなく後頭部に指穴が開いているセンスは日本人にはカルチャーギャップでした。

そして映画祭では三菱銀行特製のアリエルのフィギュアつきえんぴつをもらい、ディズニー映画の新作リアルタイム毎にマーチャンダイジングと併せて楽しむ“癖”が習慣として刷り込まれていったのでした。