「ぼくが絵本作家になったわけ/ビル・ピート自伝」~絵本作家の半生を描く絵本!2008年07月16日 02:12

ぼくが絵本作家になったわけ ビル・ピート自伝/ビル・ピート作 ゆあさふみえ訳/あすなろ書房刊
ネットショッピングの大手amazon使ってますか? 自分も時折利用しています。サイトの機能の中で、どれだけ信頼性があるのか興味深く見ているコンテンツが「あなたにオススメの商品」です。

何しろ、当初はトンチンカンな商品を薦めてきていました。電気の変換コンバーターなんて、カケラも欲しくないものが表示され、なぜ薦めたのか読んでみるとアニメーションのDVDを買ったからとか……(うろ覚え)。いったい何人がその統計を作り出しているのか、不思議でたまりません。

その中で、初めてドンピシャと思ったのが『ぼくが絵本作家になったわけ/ビル・ピート自伝』なる本でした。これこそ、「薦めてくれてありがとう」です。
以前から伝え聞きで本の存在を聞いていたのですがタイトルや版元が分からず、いつも本屋では忘れてしまって探すことも先延ばしになっていました。

ビル・ピートはディズニー黄金期にスタジオで働いていた人物で、『王さまの剣』『101匹わんちゃん大行進』『ピーター・パン』『不思議の国のアリス』の脚本などを担当。スタジオ黄金期を支えたスタッフが内側からその現場を描いているというのを聞くだけでも、「読みたい!」と思える本です。

実際手にしてみての感想は期待以上でした!
全頁に著者の書き下ろしのイラストがつき、絵本作家の人生が絵本として発表されるパラドックス。その温かみある筆致は、語られる少年期の自然たっぷりの生活環境を読み進めると納得させられます。

そしてディズニーが好きな人にとっては、本の大半で語られるスタジオ時代での活躍に目が離せないでしょう。
恥ずかしながら自分が大好きな短編、スペシャル作品の多くがビル・ピート作のスクリプトだったことをこの本で知りました。小型クーペのスージーやおくびょうなランバードなどの原作者だったとは。遅ればせながら才能の大きさを感じると同時に、自分の好みに合致している作家だと思わされました。これはこの先、著書を追いかけてみないと(喜)!

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コメント

_ もふ ― 2008年07月22日 23:55

わざわざエントリーいただいてホントに嬉しいです!
ありがとうございます。さっそく読ませていただきました。
良い本でした。どうしてもオーソライズされているディズニー関連の書籍は
ウォルト礼賛一辺倒になりがちなのですが、
違った角度でウォルト像をとらえる事が出来て、とても満足です。
しかしゼロックスがなかったころ、下働きのアニメーターさんは、
さぞやしんどかったでしょうね。ドナルドには飽きた!のくだりが妙に生々しくて…。
ストーリー部門に入ったあと、せっせと言われるままに絵解きしまくったのに、
エンドロールに名前が出ないなんて、報われなさすぎです。
涙が出そうでした。
きっと名も残らない幾多あまたの人々がウォルトを支えてきたんだろうなぁとなんだかしみじみしてしまいました。
得てしていまもそうなのでしょうが…。

_ しらいしろう ― 2008年07月23日 16:23

いえいえ、たいしたこと書いて無いエントリーで恐縮です。
自分も今年になってから読んだ本なので大きなことは言えません。

>ウォルト礼賛一辺倒
これには激しく同意です。ウォルトに限らず、藤子F先生だって亡くなった後は伝説の一人歩きで聖人化してますし、歴史のあちこちでこういうことは起きているのでしょう。(その意味、比較対象になっている藤子A先生が気の毒で……。※脱線)

アニメは集団作業で個人の業績が分かりにくい媒体。
特にディズニーはその業績を独り占めしていると非難された時代もありますが、当然だと思います。現在のように詳細なエンドクレジットもなく、大雑把なOPスタッフロールは同時代のほかの映画を比べても大雑把過ぎるように思えてなりません。

生きる証人だったフランク&オリーも他界してしまったし、この先どれだけ新事実が出てくるのか。
そういえば『わんわん物語』も原案者の名前がノンクレジットってのも近年出てきた事実ですし、洗い出せばいろいろ出てきそうです。

>ドナルドには飽きた!
あははははははは……

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