映画ドラえもん/紙帽子コレクション'80 to '022006年03月12日 03:43

『映画ドラえもん のび太の恐竜』紙帽子
▲『ドラえもん のび太の恐竜』

26年前の春、初日に劇場へ行き舞台挨拶を見ました。この紙帽子をかぶった子供たちに混じりながら自分も舞台の上の藤子両先生を眺めていたあの日。思えば遠くになりにけり。
雑誌でも使っていただけたので保存していた甲斐があったと思っている品です。生かされてこそコレクター冥利に尽きます。
しかし改めて見返すと初年度は帽子でもなくハチマキと言っても良い代物。 さて、この紙帽子と言う風習はどんな子供映画が最初に導入したのでしょうか。最近気になっています。東宝チャンピオン祭りからの流れを感じる興行なので、ルーツをたどると更にゴジラに縁が深くなるかもしれません。


▲『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』『怪物くん 怪物ランドへの招待』

2年目は折りまげてツバが出来たところから”サンバイザー”と呼べる形に進化。当時の記録によれば『ドラえもん 怪物くん 絵入り「サンバイザー」(紙製帽子)付き』となっているので前売り券の窓口プレゼントとして作られていたようです。しかし初日には家から持ってきた記憶もないし、劇場にはたくさんの子供がこれをかぶっていた記憶があります。あれはいったいどういうことだったのでしょう。余った分を配っていたのかな。


▲『21エモン 宇宙へいらっしゃい!』『ドラえもん ぼく、桃太郎のなんなのさ』

ドラえもん映画歴史でもイレギュラー扱いの夏興行にも紙帽子はありました。当時の記録には『ドラえもん・21エモン紙ぼうし付』とあるので、これも前売り券のプレゼントだったようです。
そういえばこのときは劇場入場プレゼント(初日のみ?)のドラえもんマスコットを入場時に貰いました。記録上は無視され続けてますが入場プレゼントの最初はこれだったと印象づいています。


▲『ドラえもん のび太の大魔境』『怪物くん デーモンの剣』『忍者ハットリくん ニンニン忍法絵日記の巻』

この年は再びハチマキ型になってしまったものの、折ってそれぞれの面を前にすることで4種の紙帽子が楽しめると言う新機軸。
劇場でもらえることが出来ずに帰り道、不忍池のほとりで拾ってコレクション入りさせた記憶がうっすら……。拾うなよ、と当時の自分に思う反面拾う事ができた奇跡にも感謝です。
コレクターの感性は若干歪んでいるような。


▲『ドラえもん のび太の海底鬼岩城』『パーマン バードマンがやってきた』『忍者ハットリくん ニンニンふるさと大作戦の巻』

ここから自分のコレクションに折り目がないのでナチュラルに紙帽子をかぶる年齢は過ぎたようです。小学校高学年、そろそろドラえもんファンから、藤子ファンへ、そしてコレクターへの変貌が始まっていたのかもしれません。


▲『ドラえもん のび太の魔界大冒険』『忍者ハットリくん+パーマン 超能力ウォーズ』

ドラえもんを折り曲げてポップアップさせる形に進化。以降のスタイルの雛形になるエポックメーキング的な品です。


▲『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』『忍者ハットリくん+パーマン 忍者怪獣ジッポウvsミラクル卵』

今でも実家の壁に画鋲で貼りっぱなしの1枚があります。それがこの紙帽子。つまり部屋は85年以来、あそこだけは変わっていないと言う事になります。ポスター代わりと言うより、昔のテナントのようにちょっと変わった形のポスターとして楽しめるのも紙帽子の一つの魅力でした。


▲『ドラえもん のび太と鉄人兵団』『プロゴルファー猿 スーパーGOLFワールドへの挑戦!!』『オバケのQ太郎 とびだせ!バケバケ大作戦』

この年、初めて紙帽子が手に入らず東宝宣伝部に問い合わせしたら束で紙帽子をいただきました。嬉しいやら恥ずかしいやら。しかし、その量たるや、友達に配るにも配りきれず、いまだに持て余してます(苦笑)。
立体映画だったオバQが飛び出すようになっているセンスがポイントの高い品です。
ポップアップ・キャラクターがツバから折り上げる頭側から押し出す形に変化しています。


▲『ドラえもん のび太と竜の騎士』『プロゴルファー猿 甲賀秘境!影の忍法ゴルファー参上!』『オバケのQ太郎 とびだせ! 1/100大作戦』

藤本先生が原作漫画のスタートを休載。いつもより遅いマンガのスタートにハラハラとしながらコロコロを読んでいた記憶が蘇ります。映画館でかかっていた最初の予告編では本編にはない、崖から落ちそうになるアクションシーンがあり、本編へのフィードバックがないのが残念でした。
紙帽子では竜の騎士=バンホーのシュルエットが印象的に配されていますが。


▲『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』『エスパー魔美 星空のダンシングドール』『ウルトラB ブラックホールからの独裁者B・B』

ツバからドラえもんを折り上げる形に戻っています。
魔美とUBのおかげでそれまでハード路線になっていた作品の組み合わせがソフトな印象になりました。ゆえに紙帽子も少しファンシーっぽい色使い。


▲『ドラえもん のび太の日本誕生』『 ドラミちゃん ミニドラSOS!!! 』

藤子映画も10周年。F作品のみの興行となり、少し寂しさを感じます。
キャラクターを折り出すデザインがなくなりシンプルなサンバイザーに戻っています。


▲『ドラえもん のび太のアニマル惑星』『 チンプイ エリさま活動大写真』

ミミをつけて猫を強調したドラえもんとネズミ型宇宙人チンプイの2ショットがファンには不安になります。
折り出しデザイン復活。


▲『ドラえもん のび太のドラビアンナイト』『 ドラミちゃん アララ少年山賊団!』

折り出しキャラクターが面積の半分近いという思い切ったデザイン。これは中央部は平面なのですが、左右のみ切れ込みが入っていて頭の丸みに合わせ外側に飛び出すというもの。改めて見返すと、なるほど! と思う仕様です。


▲『ドラえもん のび太と雲の王国』『 21エモン 宇宙いけ!裸足のプリンセス』『ときめきソーラーくるまによん』

ここまでくると惰性で集めてるような気分にも……。なんて誰かも思ったのか翌年には初めて紙帽子がありませんでした。(少なくとも、自分が探した限り存在しませんでした。もしも存在がある場合は一報を!)


▲『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』『 ドラミちゃん 青いストローハット』『ウメ星デンカ 宇宙の果てからパンパロパン!』

一年空いて復活した紙帽子。
青いストローハットにもひっかかっていないし、魔法使いドラモンの帽子にもひっかっていないデザイン。せっかく帽子モチーフに恵まれた興行だったのに、紙帽子ファンとしてこの残念です。作品を最後に紙帽子が無くなりました。


▲『ドラえもん のび太とロボット王国』『ぼくの生まれた日』

8年の時を経て紙帽子が復活しました。しかし今までの形態とは違い劇場パンフレットの付録になっています。こらまでゴムで後頭部を留める機構だった紙帽子ですが、工作という都合上、バンド部分が長めに作られ、折込式で留める形が採用されています。
ドラえもんの手の部分には別パーツになっている剣を取り付けるようになっています。
劇場でかぶっている子供を見ることが出来なかったのが残念です……。

さて、ここまで集めた紙帽子たち。
いったい紙帽子の魅力とは何なのでしょうか。 子供心を思い出すに、お面のような変身アイテムとしてのワクワク感を思い出します。ただ折り曲げるだけですが、工作を組み立てるような自分で組み立てる楽しさもありました。名前欄があって、自分の物と意識する所有の喜びもありました。劇場で多くの同世代の子ども達と同じスタイルで鑑賞することで一体感とお祭り気分を十二分に味わうことが出来ました。
今やその紙帽子のバンドは自分の頭をまわらなくなってしまいましたが、それらを目の前にすると楽しかったドラ映画との日々が蘇ってきます。

紙帽子はお手軽に変身できる、秘密道具のような魅力的なアイテムだった。……と、綺麗にまとめようとして大げさになってしまいました。
そんな大げさなものではなく、むしろ庶民的なチープさも味。ドラえもんの庶民性と通じるところがあるかもしれません。

もうあの日は戻ってこないのか……否!

2006年、ついに正統派紙帽子が復活しました!

[※2007/2/22修正加筆]
[※2007/2/23修正加筆]

コメント

_ 元祖ドラえもん ― 2007年03月10日 18:51

初めまして。うわ~すごいです!!全部揃ってますね。それぞれを改めてみると、同時の記憶がよみがえってきます。思い出の品を見れて感謝です。

_ しらいしろう ― 2007年03月13日 05:43

初めまして!
Yahoo!ドラえもん!ブログから、そちらのブログ拝見しました。
独自のテーマを決めてコレクションする楽しさを体現するようなブログですね。時々覗かせていただきます。

思い出と共にあるコレクションと思っていただけたようでこちらも嬉しいです(^^)

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