ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一髪 ~怪獣ファンの弱さ2008年08月22日 23:59

ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一髪 (パンフレット裏表紙)
ギララが復活? 冗談としか思えないニュースが飛び込んできてから数ヶ月。伝え聞く内容といえば、やっぱり悪い冗談としか思えない続報ばかり。
でもって、公開されてから聞く作品の評判といえば、やっぱり「冗談のような内容だった。」という、なんとも突き抜けないものばかり。

ダメな映画でも、そこを愛せるようになって仕舞うのがジャンル映画のファンと自覚はあれども、やっぱりギララをスクリーンで見る機会なんてめったに無いのだから、封切の間に観ておこうと決心。ダメなのを確認しにスクリーンに向かう。怪獣映画ファンって、どこか屈折してるんですよ。やっぱし。

肝心の映画の感想んですけど……。
ああ、先に聞いていた評判のどれも納得できるローテンション。わはは(力なく笑う)。

洞爺湖サミット開催中に現れた宇宙怪獣ギララの前に、各国の代表が繰り出す珍案で立ち向かう軍と、古い村に伝わる神“タケ魔人”の謎が平行して語られる展開。定番どおり軍の労策は尽き、ピンチというとき魔人が現れ二大怪獣の決闘と……。

基本的に怪獣映画として楽しむというよりも怪獣映画のフォ-マットを笑うパロディ映画。いやさ、パロディとしての完成度を語るよりも何よりも前にユルーイんですよ。そのユルさに目くじらたてるなんて大人気ないでしょ、楽しみましょうという観客を前提にしたようなC調。そのロービートを許せるか許せないかで判断は分かれそう。

怪獣映画の王道的な楽しみとしてある町の破壊シーンは1作目「ギララ」の流用と伝えるだけで、この映画の本気“じゃない”ぶりは伝わるでしょう。オープニングタイトル曲の往年の特撮映画のメロディをカスりまくる幕開けから、流用の破壊といったノスタルジックなものへのうったえかけ。(曲のパロディとしての完成度は素晴らしいのだけど)よどんだムード全開。観客としては堕ちてくのが快感……と切り替えなきゃ損。
大真面目(に見える)演技の加藤夏希さんがいたたまれない気分にすらなってきましたよ……。

さぞや寒い場内になると思っていたのですが自分が観た回は妙に女性客の反応が良くてクスクスと笑いが起きる。おかげさまで結構冷えずに楽しめました。笑いの箇所を統合して推測するにニュースペーパーのファンでらっしゃったようで……。自分はニュースペーパーの存在すら知らなかったので、なぜ登場するだけで笑いをとるのか理解に苦しんでいました。

そんなわけでダメ映画だなぁと、感想を漏らしているのですが、そんな自分の話を聞いた周りの反応が「逆に観たくなったよ。」と言うもの。 いや、本気で“褒めてません”ってば(苦笑)。

どうも怪獣ファンの素養としてダメなものでも愛せる体質を楽しんでるきらいがありますが、これはその素養にアテこまれているようでダメなんですってば。本当に。

そう言いながらも、こんなダメな映画を劇場で見たことを誇りに思ってしまう自分なのでした。ニクめない奴なんですよ、ギララって奴は。

コメント

_ しらいしろう ― 2008年08月28日 18:29

愛すべきユルい怪獣映画。

その一言ですね。グダグダ言っても、結局好きです。
しかも結果「ユルい」のではなく正確には「ユルい映画を本気で愛してる」から、狙って楽しんで作られたユルさ。

正直な気持ちで言えば某超∞兄弟より好きですよ……。

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