謎の集団「ニュー・シネマ・パラダイス・ファン」2006年01月13日 07:40

Weeklyぴあ(関東版)2005.12.29-2006.1.5 No.1132 表紙
デジタル・リマスター版公開を紹介している情報誌「ぴあ」を手にした。記念のつもりだった。しかし映画の紹介文は目を疑う内容、これが情報誌として正しい視線なのだろうか。

'89年に公開され、単館で40周と言う脅威のロングランを記録した伝説の感動作がデジタルリマスター版の美しい画質でリバイバル公開。シチリア島の小村で繰り広げられる、映画の愛に満ちたノスタルジックな物語が帰ってくる! 今回上映されるのは、現在DVDなどで見られる完全版ではなく、初公開時の2時間バージョン。完全版は主人公が中年になって元恋人のストーカーと化すなど、ファンの間でもあまり評判が良くないだけに、今回のバージョンを心待ちにしていた人も多いはず。
(Weeklyぴあ(関東版)2005.12.29-2006.1.5 No.1132。『ニュー・シネマ・パラダイス デジタル・リマスター版』の紹介文)


ツッコミ所が多すぎてどこから言えばいいのか分からないくらいで、めまいがするんですけれど。これ書いたライターはわざと書いてるんですかね。1センテンスに1マチガイくらいの勢いじゃないですか。
123min版DVD普通に買えますけれど……。もっとも、国内ソフトも今回上映されているデジタル・リマスター版も厳密には初公開時のものとは編集が違うけど。
キリがないので問題にする箇所を絞ろう。
>完全版は主人公が中年になって元恋人のストーカーと化すなど、ファンの間でもあまり評判が良くないだけに、今回のバージョンを心待ちにしていた人も多いはず。

この文章のファンってどんな人を指しているのでしょう? ”ジュゼッペ・トルナトーレ監督のファン”を指している文脈とは思えない。
シリーズものではなく1本の映画作品だ。”「ニュー・シネマ・パラダイス」のファン”ならば作品は好意的に受け止められるポジション、評判が悪いならばそれはファンじゃないぞ!
かろうじて成立する仮定が”「ニュー・シネマ・パラダイス」2時間版のファン”と言うくくりだが、それならば同じ作品である3時間版をわざわざ蔑んで引き合いに出す悪意を感じる。もし、これがスタンダードな”「ニュー・シネマ・パラダイス」ファン”を指しているならば、自分は死んでも仲間になりたくない。
冷静な意見として良し悪しを評しようとしている人も確かにいるのだが、そもそも同じ作品同士なのだから一刀両断できないはがゆさつきまとう。一枚の絵のどこを褒めてどこをけなすか、そんな論争にも似ている。
実際、ネットを見回すと2時間版と3時間版(=完全版)を比較し同じように蔑む意見を目にするが、その人が”ニュー・シネマ・パラダイス・ファン”だと自分は思っていない。

コメント

_ T山 ― 2006年01月13日 14:55

「ファン」と「マニア」を分けているんでしょうな。

_ しらいしろう ― 2006年01月14日 23:00

無責任に好きでいられるからこそ、ファンとも言えますけれど……。確かに。
このエントリーから翌日、翌々日(15日)までのエントリーは長文だったので三分割した1文です。フラストレーション爆発の三夜です。お目通し恐縮です。

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